標本の詳細UP、ラストはオルニトレステスの歯冠です。

キャプションには

Ornitholestes.sp (オルニトレステス.sp)

ジュラ紀後期 144~156百万年前、モリソン累層
ワイオミング州 オールバニ郡、ボーン・キャビン発掘場産

標本長:11.2mm

歯冠部

高さ CH:9.4mm、CA:10.6mm

幅 CBL:6.4mm、厚さ CBW:3.2mm

エナメル質の痛みが残念ではありますが、鋸歯は近心側の上部、遠心側は欠けがあるものの上部から基底部(歯根との境)近くまで残っていました。^^

近心側上部の小歯密度は5個/1mm、遠心側下部の小歯密度は6個/1mm、中央から上部が4.5個/1mmでした。

 

ボーンキャビン採掘場からは小型獣脚類が2種見つかっています。

オルニトレステスとタニコラグレウスなので、このどちらかの可能性が高いです。

以前、Gさんのところでコエルルスのキャプション(おそらくはタニコラグレウス)が付いた歯を手に入れ居ているので、その歯冠との比較して見ることにします。

2014新宿戦利品1コエルルスa03

この歯冠の計測値が、標本長:15.2mm
歯冠部CH:9.5mm CBL:6.0mm CBW:3.9mm CA:11.0mm

小歯密度が、遠心側:5個/1mm 近心側:6個/1mmでした。

 

小歯密度は歯の大きさ、成長の度合いが違っても、同じ種族では部位ごとの小歯密度に、殆ど変化がないことが判っているので、この数値判るだけで、同定の制度が上がって来ます。

残念なのは、この2種のデータを知らないので、はっきり出来ないのが心残りですが、小歯密度が近心、遠視で違いが出ているので、種族が違うことだけは間違いなそうです。^^

Gさんにコエルルスの歯とオルニトレステスの歯の違いは何処?

と、伺ったところコエルルスの方が、小歯が大きい(密度が小さい)との回答でしたが、こればかりはデータ探さないとね ^^;

 

と言うところで、今回のミネラルショーで手に入れた歯冠の検証は終了です。

来年は円高に戻ってくれることを、切に願っています。

ではまた。^^