恐竜博2023の会場レポもラストスパート。
続いては2体のティラノサウルスの全身骨格から、
写真左が”タイソン”、右が”スコッティ”の愛称が付いている標本です。^^
タイソンはアメリカ合衆国モンタナ州産の実物骨格標本で、複数の企業が合同で所有している商業的な標本で、詳しいことが判っていません。
全長では隣のスコッティより小さいのですが、全身の6割の骨が実骨で組まれている、がっしりとした体躯のティラノサウルスです。
右上腕骨に若いティラノサウルスに咬まれた跡があるのが特徴で、喧嘩の痕か子供に甘咬みされたのかは判りませんが、貴重な標本であることは間違いないですね。^^
一方のスコッティはカナダのサスカチュワン州産の標本のキャストですが、ティラノサウルスとしては現在見つかっているものとしては最大の全長(13m)を誇っています。
2体のティラノサウルスが並んで展示される恐竜展も、そうそうないので、じっくり堪能して欲しいです。^^
そのティラノサウルス2体の正面には、小さな獣脚類が展示されています。^^
スキピオニクス、コンプソグナトゥス類の幼体と思われる、内臓などの軟組織が保存された化石です。^^
今回展示されているのはレプリカですが、図録にはホロタイプ標本を詳しく解説されており、この標本の重要性が解ります。^^
※科博の特別展公式twitterで、3月24日から実物標本が展示されると発表がありました。
この後のフロアへ続く廊下には、レーザー光を当てて、可視光線下では見ることが出来ない、軟組織や皮膚痕などを観察出来る新しい技術、LSFについてパネル展示がなされていますが、こちらは是非会場で見て頂きたいので、写真は掲載しませんので、ご了承ください。
恐竜博2023最後のコーナーは、南米で見つかった、白亜紀末の獣脚類たちの展示です。^^
まずはカルノタウルスから、母岩が硬く、以前は左腕のみクリーニングが終わっていて、骨格標本では左腕を反転させて作ったレプリカが右腕として付けられていましたが、やっと右腕のクリーニングが終わり、そのキャストが今回展示されていました。^^
しかし、この腕と手では、どのように使われていたのか、謎が深まりますね。^^;
ところで、この全身骨格ですが茨城県博所蔵の標本なんですけど、以前に見た時と違和感が・・・過去のブログで確認したら、肩甲骨から腕までの骨の位置(向き)を、変更した様です。^^;
これが正しいのか判りませんが、どうなんでしょう?
続いてマイプの実物標本が展示されていました。
さすがにまだ全身骨格の展示は難しかったらしく、南米で見つかっている近縁のメガラプトルと、同じメガラプトル類とされる、フクイラプトルの全身骨格が展示されています。
メガラプトルは左腕の展示方法が、ちょっとおかしいのですが、体躯のバランスは悪くないので、マイプの全身骨格をイメージするには良い標本だと思います。^^
ラストは今後の恐竜研究と言うことで、地中にれ作られた恐竜の巣を探すをテーマに、現生鳥類で地中に巣作りをするカワセミのジオラマと、第六の絶滅を回避するをテーマに、絶滅種のドードーの標本が展示されていました。
5回に渡ってお送りした、恐竜博2023の会場レポは以上になります。
科博での開催は、6月18日まで開かれていますので、皆さんも一度は見学して頂きたいと思います。
ではまた。^^