特別展のレポが終わり、今回は自然史系常設展示の模様をお伝えします。^^
飯田市美術博物館は名称の通り、美術館と博物館の機能を持った施設で、中央のエントランスから左手が美術館、右手が自然史と文化・民俗を展示する博物館で、プラネタリウムも併設されています。
訪れたのは8月末ですが、長野県では22日から2学期が始まっていて、小学生がプラネタリウムの見学に訪れていました。^^
メイン展示は後回しにして、まずは南信州の自然の展示から
南アルプスに生息する、様々な動植物たちの標本を見ることが出来ます。
長野県と言えばライチョウの生息地で知られていますね。
南アルプスはライチョウ類の南限ということを初めて知りました。
また中央アルプス側では復活プロジェクトも進められていて、ライチョウ生息域の保全や保護が急務になっています。
私は富山市ファミリーパークのライチョウ基金、クラウドファンディングに参加しましたが、こういた各地で行われる保護プロジェクトは、継続して欲しいものです。
続いて飯田市のある伊那谷にはクレーターの痕も残っているのですね。
3万年前に出来たそうですが、直径900mのクレーターから40~50mクラスの小惑星が落下してきたと考えられています。^^;
そして南信州の各地で見つかっている化石が、展示されています。
ペルム紀から第四紀完新世までの地層が分布しているのですが、まず新第三紀中新世1800万年前の富草層の展示。
カニサイ(キロテリウム)やミノジカなどの陸棲哺乳類、パレオパラドキシアやデスモスチルス、ムカシクビナガイルカなどが見つかっており、特にパレオパラドキシアとデスモスチルスが同じ地層から産出するのは、富草層だけとのことで、生物多様性を考えると、非常に豊な場所であったと考えられるそうです。
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続いては白亜紀前期1億1000万年前の戸台層からの化石標本です。
アンモナイトやマングローブを形成するシダ植物の化石が見つかっており、メイン展示でスピノサウルスの全身骨格が展示されているのも、将来化石が見つかる可能性を考えてのことのようです。^^
ではメイン展示のスピノサウルスです。
2009年、幕張で開催された砂漠の奇跡展で展示されていたスピノサウルスですね。
冬場の夕刻であれば、館内の照明で外からもスピノサウルスの姿が良く見えそうです。^^
スピノサウルスの足元には飯田市内で足跡化石が見つかっているアケボノゾウやオオカミ類の標本が展示されていました。
シカの標本はキャプションが無いのですが、角の形状からニホンムカシジカのようです。
あと、ヤゲワニという新生代の古代ワニが展示されていました。
キャプションには静岡県浜松市産で、トヨタマヒメイア.sp(マチカネワニの一種)となっていましたが、アケボノゾウと同時代に生きていた種ということでの展示のようです。
以上で飯田市美術博物館、自然史系の常設展示レポは終了です。
ではまた。^^