恐竜vs哺乳類・化石から読み解く進化の物語の会場レポの続きです。^^

 ※写真は常設展示室2階の吹き抜け窓からの眺め

第三章は「比べてみる」をテーマに、骨格の様々な部分を比較し、恐竜類と哺乳類の違いを展示しています。

まずは頭骨からで、ティランノサウルスの頭骨模型とシベリアオオカミの頭骨で、その違いを伝えていました。

 

続いては歯の展示で、恐竜は肉食と植物食の違いを

哺乳類は肉食と草食の違いを

顎と歯の構造で分かりやすく展示されています。^^

 

続いては手足の違いの展示

爪や指先、足先、体重を支える構造などが展示されていました。

ゾウの前脚は写真でしたが、ブラキオサウルスの前脚との比較は面白かったですね。^^

 

恐竜を代表してコリトサウルスとカルノタウルスの全身骨格レプリカが展示されています。

カルノタウルスは科博恐竜展2023で展示されていた標本ですが、肩甲骨の角度が正しい位置に戻ってました。

腕が脱臼してるのはそのままでしたが・・・

 

最後の章は「化石から読み解く」をテーマに日本の古生物学の歴史と、東日本太平洋側の化石産地が紹介されていました。^^

ナウマンゾウと樺太から産出したニッポノサウルスの標本。

 

各地で産出している標本のうち、目に留まったものを紹介いたします。

三畳紀の宮城県稲井層群からは魚竜・クダノハマリュウの実物標本。

状態があまりよくないのですが、震災で津波の影響を受けましたが、無事で良かったです。

 

ジュラ紀の福島県相馬中村層群からは恐竜の足跡化石。

続いては白亜紀前紀の岩手県宮古層群からは日本最初の恐竜化石、竜脚類モシリュウの上腕骨の一部のレプリカ。

上腕骨の近位側(肩側)の骨で、科博日本館に展示されている実物標本は割れた状態で展示されているので、このレプリカの方が形をイメージし易いと思います。^^

古い話ですが長谷川博士の講演会で、これ以前に北海道でとある化石が出ているそうですが、個人所有で研究できなかったため公式記録としてはモシリュウが最初だとか・・・

 

白亜紀後期は福島県双葉層群から小型鳥脚類の大腿骨の遠位側(膝側)の標本。

2022年に見つかった標本で、多様性の面で全長1.5mほどの小型鳥脚類が日本周辺に生息していた証拠になる貴重なものです。

所蔵先がほるる・いわき市石炭・化石館なのですが、昨年3月に発生した地震の影響で、来年春まで改修工事で閉館中ということもあり、是非この機会に見て頂きたいものの一つです。^^

 

そして白亜紀末期の茨城県那珂湊層群から海竜モササウルス類の尾椎標本。

モササウルス類としては派生的なプロトサウルスに近いものだそうで、今後の発掘にも夢がある標本ですね。

 

後は新生代新第三紀中新世の茨城県久慈川層群からは古代ゾウ、ステゴロフォドンの頭骨。

同じく多賀層群からはサメ類、メガロドンの歯が展示されていました。^^

メガロドンと言えば北米産のイメージが強く、日本でも見つかっていたんですね。^^;

 

以上で企画展の会場レポは終了ですが、常設展示の方も少し触れたいと思います。^^

エントランスは2階になるのですが、中に入ると中国内モンゴル自治区から見つかった竜脚類の”ヌーロサウルス”が出迎えてくれます。

もともとは”ヌオエロサウルス”と表記されていたのですが、漢文発音の表記に問題があるのではとなり、モンゴル語由来の綴りと発音でヌーロサウルスとするのが正しいのではとなったそうです。^^;

 

その足元には・・・

ティランノサウルス、スタンの産状レプリカが展示されています。^^

メイン展示室にはもう1体ティランノサウルスが展示されています。

こちらの標本はロイヤルティレル博物館のブラックビューティのレプリカで、実物標本はマンガンが沈着して真っ黒な化石なのですが、茶色で塗装されています。

※福井県博のダイノラボには黒色塗装のブラックビューティが展示されています。

北米系の標本が多いのですが、是非見て頂きたのがトリケラトプス.ホリドゥスの部分頭骨です。

トリケラトプスの頭骨としては大型の部類に入ります。

2014年の大阪市博の特別展で展示されていましたが、当時は常設展示されていなかったので、当時の会場レポでも勿体ないと呟いていたのですが、常設で展示されて嬉しい限りです。^^

 

企画展は6月9日まで開催されていますので、春休みやGWなどで、訪れて頂けたらと思います。

ただ3月20日は入館が予約制なので注意してください。

ではまた。^^