テイキング オブ デボラ・ローガン | 毎日がメメント・モリ

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「ミッドサマー」のDVDレンタルが始まってTSUTAYAで予約、一番上に上げたつもりが丁度サイトの調整か何かやってて反映されてなくて「ゾンゲリア 」が来ちゃって、面白かったからいーんですけど、その次もまだ「ミッドサマー」来なくて「そんなに人気あるのか」と思いきやランキングは5位。入れてる本数が少ないのかなあ、超話題作だったのに。で、アマプラでこの絵面を見つけて物凄く気になって観ちゃった1本。全然聞いた事無い映画でしたが、これがなかなか良作で、あんまり情報の無いDVDスルーの中にもかなり良作佳作があるのは嬉しいですね。

 

 

これはもうデボラ・ローガン役のジル・ラーソン凄過ぎな1本。「シャッター・アイランド」にチョイ役で出てらした様だけど、ほとんど日本では知られてない女優さんみたいですね。

アルツハイマー病の患者が介護する者に与える影響を調査している医学生ミアはギャビン、ルイスと共に、アルツハイマーを発病しているデボラ・ローガンと同居で介護している娘のサラの家を訪れます。現れたデボラはご覧の通り、上品で朗らかでとても感じの良いご婦人です。

 

これが取材をして行く内に急激に様子が変化するんですね、最初は病気が急に進んだのかと思わせるんですが、やがてそれが病気では説明のつかない状態になって行く、デボラの異常な行動が増えて行く、その過程が怖いんですが、ホンマ、ジルさん凄いです。訳知り気な怪しい隣人のハリスの存在も良いですし、ミミズやヘビ、スコップなどの謎解きアイテムの使い方も上手いですし、カメラワークや演出も上手いと思いますね。

 

 

それがやがて過去の少女誘拐殺人事件と犯人である医師の行方不明事件と繋がって行って、その過程もミステリ仕立てで面白い。サラはレズビアンでそれが原因でデボラとの間にちょっとした確執があると思い込んでたんですよね、それが原因で幼い頃無理矢理全寮制の学校に入れられたと。しかしそれには全く別の理由があったのでした。絵的にも「ホラー映画として見せるべき部分」と「過剰に見せなくても良い部分」がちゃんと考えられてる様でとてもしっかり作られています。映画の性質上ドキュメンタリー形式から入って最後の方はPOV方式になるんです、私はどっちかって言うとPOVってやたら画面がブレるし、叫び声ばかりが強調されててあんまり好きでは無いんですけど、この映画のPOVは過度な演出が無くて非常に観やすかったですね。まあ、ホラー映画においてはその過剰さも一つの魅力になると言えばそうなんですけども。

 そしてまたミステリから今度はオカルトへ。恐怖度はMAXですな。

 

 

 

でもってここは笑うか「ギャー❗️❗️」ってなるか分かれる所。

 

 

 

 因みに私は「ギャー」って思った後でちょっと笑ってしまいました。

で、最後はちゃんと解決して終わるんですが、助かった子供の笑顔にも状況にもむしろ不穏が残る……?

 

 

あからさまにおかしい訳でも無く、でも「……?」とも思ってしまう、この辺りの絶妙な匙加減も上手いですねー。かなりショッキングなシーンもありますけどお下品で無い、これは観て絶対損は無い映画です。

 

 

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アダム・ロビテル監督作品

 

デボラ・ローガン:ジル・ラーソン

サラ・ローガン:アン・ラムゼイ

ミア・メディナ:ミシェル・アング

ギャビン:ブルット・ジェンティーレ

ルイス:ジェレミー・デ・カルロス

ハリス:ライアン・カトローナ

リンダ・ツイード:トーニャ・ブラズワース


†††2014年 アメリカ
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