LAMB | 毎日がメメント・モリ

毎日がメメント・モリ

映画レビュー、イラスト、好きなもの、日常。
ホラー映画メインですが、ほとんどの映画は美味しく拝見いたしております。
イラスト禁無断転載。

年末年始で「長い映画を観る」と何本か候補挙げてたのに、体調悪くて結局観れたのは「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」だけでした。やれやれ。これも大変良い映画だったのでまた書きたいと思いますが、新年一発目はこれ!話題の「LAMB」がアマプラ見放題に降臨!

 

 

まずやっぱり超可愛いと評判のアダちゃんは観なければなるまい。

 

とにかくアイスランドの風景が素晴らしい。風景の開放感たるや圧倒的なのですが、そこにポツンと一軒家のごとくこの夫婦しかいない、解放感あふれる自然の中でありながら閉鎖的な空間と言う今までも幾度となく映画の中で展開された環境ですが、それをこれだけ強く感じさせる映画は今まで無かったかも。

 

 

 

そして観る人によっては「これってホラーなの?」と思うストーリー展開、確かに美しい自然を映しながら始終不穏な空気を漂わせ(「シャイニング」の冒頭を思いだす)観る者を決して安心させない雰囲気はロバート・エガースやオズ・パーキンスの「フェブラリィ〜消えた少女の行方」など思わせますが、これはホラーか神話劇なのか聖書劇なのか。古来、獣人は神ともされますけど、映画の中ではここについては何も語られない、多分それ故に観る人によってさまざまな解釈が生まれてるんでしょう、これは自分で観て判断するしかない映画。何がタブーなのか?それはこの異形の子を人間が独占し育てようとする事ではなかろうか?

 

 

クリスマスの朝、羊飼いの夫婦の元に産まれた異形の子は神からの授かりものだったのか?

 

 

束の間の幸福のために妻は愚かな選択をしてしまう。

 

何故か?人間だったら殺さなかった?「異形」と思うのも人間目線な訳ですが。

 

 

最後、彼女は妊娠しているのかもしれないと思った。これは復讐と絶望と新たな救いの物語か、罪と罰と赦しの物語か。荘厳。

 

 

アダちゃんはただひたすら可愛いよ!!

 

 

†††

ヴァルディミール・ヨハンソン監督作品

 

マリア:ノオミ・ラパス

イングァル:ヒルミル・スナイル・グドゥナソン

ぺートゥル:ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン

 

†††2021年 アイスランド・スウェーデン・ポーランド
********    ********