僕の鹿島での10年間は、劣等感と戦った10年でした。

僕にはずっと自信がありませんでした。サッカー選手になれるような少年ではなかったし、プロになってからもずっとどのようにこの世界で生きていこうか、と考えていました。

毎週、試合のことを考えると不安になり、なかなか寝付けません。鹿島の豊川がデビュー戦で「試合前に5回トイレに行った。」と言っていましたが、そんなの僕は毎試合です(笑)。10年が経ち、400試合近くの公式戦を戦ったはずですが、今でもあまり変わりません。

僕は強気な選手を演じていました。特に若いときは、強気な発言やプレーを見せることで、弱気な本当の自分を隠していました。

自信がなかったので、プロになってからも新しい考え方やトレーニングを積極的に学びました。鹿島の選手からも本当にたくさんのことを盗ませてもらいました。

タイで僕は、ずっと課題と言われて取り組んできた、ビルドアップや対人でもチームに貢献できています。日本とレベルやプレッシャーは違いますが、やってきたことを一つ一つ確認することができています。

僕にとって鹿島での10年は苦しかったけど、振り返ってみると、本当の意味で夢の中にいたような感覚になります。

今までしてきたことやこれから大事にしていきたいこと、それから最近怪我がちだった体、金銭感覚、謙虚さ。僕はタイで、夢の中にいた自分を一度リセットしたいと思っています。


今日はリーグ第11節。今日も何度も起きてしまいましたが、頑張ります。