僕の両親は小学校の先生をしていました。兄も今、小学校の先生をしています。両親の背中を見て育ち、兄の後ろをついて回る少年だった僕は、自然に教師になることを志していました。

僕の小学校のときの同級生は6人、中学校は11人でした。山口県でさえ広く感じていた僕に、サッカー選手になる、ということはとても現実的ではありませんでした。

僕は負けず嫌いでした。ライバルは3つ上の兄貴。僕より器用でなんでも出来てしまう兄が目標でした。何をやっても勝てず、負けては泣いていました。

サッカークラブに入り、サッカーをするようになってからも、サッカー選手になろうとは思ってもみませんでした。僕にあったのは、「もっと上手くなりたい。」「試合に勝ちたい。」それだけでした。

勉強は嫌いでした。でも、同級生が6人や11人だとテストで順位が下がると誰に負けたかすぐに分かります。負けず嫌いの僕はガリ勉ではありませんでしたが、ちゃんと勉強もしていました。

中学校のときは僕の人生で1番忙しい時期でした。僕の中学校は、男子は強制的に陸上部になります。サッカーは週末だけ、クラブチームでやっていました。小さい学校なので、生徒会などでいろんな行事も率先してやらなくてはいけません。勉強、陸上部、生徒会、サッカー。全てに全力でした。

僕は子供たちに「夢を持とう!」と言うのを躊躇してしまいます。僕は決して、サッカー選手になろうと思って努力したわけではなかったからです。夢を持つことは素晴らしいことですが、夢は持とうと思って持てるものでもないし、大人になるまで何をしたらいいか分からない子もいると思います。

だから僕は、「好きなことを思い切りやろう。それと、嫌いなことも一生懸命やろう。」と伝えるようにしています。

階段を登った先に何があるか分からないけど、一段一段登っていたら、いつの間にか高いところにいて、顔を上げるとそこに素晴らしい景色があった。そんな夢の叶い方もあると思います。


昨日の試合は1-1の引き分けでした。首位と負けなしを維持していますが、いろいろ気に入らない試合でした。