皆さんにやっと次の私の挑戦をお伝えすることができます。私は来年、ファジアーノ岡山でプレーします。

実はもう随分前に自分の中で決着のついた決断でした。タイでの挑戦が思っていた以上に成果を挙げられていくうちに、鹿島を離れる際に描いたもう一つの挑戦にも早く踏み出そうと思うようになりました。そしてそのタイミングで、まさに私が思い描いていたような挑戦をファジアーノ岡山からオファーしていただきました。

私は一貫して、鹿島を離れるなら、鹿島で得られた経験とは全く違う経験を得たいと言ってきました。それが私のサッカー選手としての新たな引き出しにつながるだけでなく、鹿島での経験を客観視することができ、鹿島での自分も違う側面から見られると考えているからです。そして、引退した後に見る景色をより幅を持って捉えられる人間になりたいと思っています。

鹿島で得られた経験と全く違うもの、と考えた時に私の中にあった二つの事とは、一つが海外に出て一人の外国人選手としてプレーすること、そしてもう一つが、まだ出来上がっていないクラブ、これから作っていくような、日本のクラブでプレーすることでした。

ファジアーノ岡山から頂いたお話はとても有り難いものでした。センターバックが足りないから補充したいというような話ではなく、岩政大樹を欲しいというものでした。クラブのDNAを作っていくにあたり、私を指名してその手伝いをしてほしいと言ってくれました。それはまさに私が求めていた挑戦でした。

私がこの決断をするのにJ1かJ2かは全く関係ありませんでした。自分の中で鹿島と対戦したいという気持ちも今まで一度も湧いてきません。ただ、あったとすれば、私が対戦したことのないクラブというのはポイントだったかもしれません。これまで一度でも本気で負かそうと思った相手のクラブでプレーする自分は、どうしてもイメージできませんでした。

他にも理由を挙げていけばキリがありません。ファジアーノは昨年も今年もどこよりも早くオファーをしてくれました。また、岡山は私の故郷、山口ととても近くにあります。大学進学の時に東京に出て以来、どんどん離れていた故郷に初めて近づくことになりました。鹿島、BECと赤いユニフォームを着てきたことも縁を感じた理由の一つでしたし、ベテラン選手がいないことに鹿島での仕事とは違うやりがいを感じたところもあります。他にも、単身赴任となる私には、新幹線の駅や空港へのアクセスがいい岡山の環境も大きな決め手の一つでした。とにかく自分の中ではいろんなことがとてもマッチしたクラブに感じました。

ファジアーノ岡山には可能性があると思います。これからクラブとしてもう一段階ビルディングアップしていくにあたり、自分がどのように貢献していけるのか、はっきり言って今はまだ明確には分かりませんが、いろんなことを見ながら見えてくるものがきっとあると思います。そしてそれが私とクラブを成長させてくれるだろうと確信しています。

普通の結果ではいけないことは覚悟しています。明らかな結果を出していかなくては私の存在意義はなくなっていきます。きっと大変な作業になると思いますが、私のこれまでとこれからの経験を全てつぎ込んで、文字通り、サッカー人生を賭けた大勝負を挑もうと思っています。

ファジアーノ岡山の岩政大樹も、どうか変わらず応援してください。
No Pain No Gain.