2015年シーズンが終わりました。練習はまだ行っていますが、ここで今年の歩みを振り返り、私の2015年を整理しておこうと思います。

2015年シーズン、J2リーグを戦った私たちファジアーノ岡山は12勝12敗18分け、勝ち点54で22チーム中11位という成績でした。数字を見ればリーグの真ん中、ちょうど中位と言われることは致し方ないと思います。42試合で18分けはリーグ最多、とにかく勝ち切れないという印象が残りました。

リーグ戦の最終成績はいつも正当で正直です。冷静に振り返り、私たちは昇格を目指すには力不足だったと思います。

ただ、これはとても感覚的なところが大きいのですが、私が今年やりたかったことはある程度できた、という感触が残っています。私は決して楽観主義者ではありませんが、ファジアーノ岡山が前に歩を進めたのは間違いないという気がしています。

正直に言うと、J2を戦うのは初めてで、ファジアーノの力も他のチームの力もやってみるまで分からなかったので、開幕前に何をしたいとか何位になりたいという目標は立てていませんでした。もちろん昇格を果たしたいとは思っていましたが、それよりもこのクラブで自分に何ができて、このクラブをどのようにしていくべきなのか、それを見極めていくことが私の最初のタスクだと思っていました。

今だから言えますが、シーズンの中盤まではその見極めがなかなか定まらなかったところがありました。思うように結果もついてこなかったし、チームのムードにもどこか迷いがあり、毎日考え込む日々を送ることもありました。

具体的には言えませんが、それはある程度仕方がないものでした。ファジアーノが踏み出さなくてはいけない次へのステップのためには、いつか通らなくてはいけない道だったと思います。

苦しいときほど人の本性は現れると言います。そんな時を乗り越えられたのは、どこまでも選手を信じ続けてくださった監督以下コーチングスタッフの熱心さと謙虚さ、それぞれにチームのことを考え悩んだ選手たちのまとまりとひたむきさにあったと思います。

最終的にプレーオフ進出までは届きませんでしたが、私の中で新しいファジアーノの形が見えてきたように感じた終盤の3分の1は、14試合で負けたのは1つ。その間、10試合で無失点、失点はわずかに5でした。これは、選手たちが同じ絵を描いていなければできることではありません。

そこから勝ち切る、というところまで至ることはできませんでしたが、いい流れの試合、そうでない試合、勝った後の試合、負けた後の試合、点が取れた時、取れない時。いろんなシチュエーションの中でブレることなくある程度長い期間、戦えたことで、ベースはできたと言えると思います。

だから来年は言い訳の許されない勝負の年となります。そして、その準備はできたと思っています。