産後ボディケア その1
~~まずはじめに知っておくべき事編 ~~



1.産後の身体は変化している

産後のボディケアって、一体なにをケアするの?
まずは、産後の身体がどんな風に変化しているのかを知りましょう!

産後の身体の変化については、色んな所で見たり聞いたりしているママさんも多いと思いますが、
ここは、ひとまず、復習だと思って、ざっと読んでみてください。
新しい発見があるかもしれませんよ。

出産直後のママさん方には、ああ、わたしの身体、本当によくがんばったのね!!!!
と、ご自分の身体に労りと感謝の気持ちを持って頂けたらと思います。


1)身体の外側の変化 ~体格、骨格、筋肉、見た目の変化~

骨盤が広がり、ゆるんでいます。

赤ちゃんを産むためには、骨盤を広げて赤ちゃんが通りやすくしてあげる必要がありました。
お母さんて凄いですね!赤ちゃんは、自分の頭の骨を縮めて参道を通り抜けますが、
お母さんは自分の骨!骨盤を緩めて広げて赤ちゃんを通りやすくするのです。

ここは一番、身体の変化が分かりやすいですね。
そして、一番身体活動に直結しているので、是非、頑張って骨盤を正常な位置まで戻したいところですね。


筋肉も広がっています。

骨盤だけではないのですよ、骨盤が広がり、緩むためには、そこについている強力な筋肉が緩む必要があるのです。
ですから、骨盤の周りの筋肉がゆるみ、広がっています。
人間のからだは、骨だけでは維持、動く事できませんね、筋肉で支えて、いろいろな活動ができるわけです。

分かりやすいのは、腹直筋(鍛え上げるとシックスパックとかいわれるようになる、アレです。)の左右が中央で離れ1~2センチほど開きます。
丁度、お腹の中央、おへその上のラインが、ぱかっとね。
出産したママには、そんな気がする人も多いのでは?

また、肛門挙筋(肛門や膣を横から閉じる筋肉)も緩みます。
これは、産後の尿漏れなんかとも関連する筋肉ですね。
赤ちゃんの通り道である膣に無駄に力が入っていたら、赤ちゃんは出て来れないですから、当然と言えば当然ですが、筋肉にも、このような変化がある、ということ、覚えておきましょう!


体重の増加。

これはね、お母さんの身体が、出産に耐えるため、また、身体を保護するため、そして、出産後に、赤ちゃんに栄養を与えるため、お母さんの身体は、栄養を溜め込もうと働くからです。
妊娠した女性の体重が増えるのは、羊水と胎児の重さだけ、では無いのですね。
妊娠~出産、そして育児期、授乳期の母体と新生児を守ろうと働く身体の本能で、太るのです。
母の身体とは、実に凄いですね。
ふくよかになった身体、むしろ、褒めてあげましょう!!!!

気をつけて気をつけて、極力太らないように、、、、という指導も最近の出産事情では多いようです。
なぜか、栄養豊富なこの時代、そして、文明の利器によって、便利で動かなくても良い時代、必要の無い脂肪がたくさんついて、動かないから筋力も無い、ブクブクの不健康母体、脂肪だらけの膣は出産に不向きなんだそうですよ。赤ちゃんを外に出すための腹筋があれば、多少のお肉は問題外でしょうに。
何事も、健康一番なんですね。極端はいけませんね。


シミ、シワ、抜け毛、白髪。。。肌、髪の毛等の変化

その他、見た目の変化は、女性なら気になる所ですね。
しみが増えたり、しわが目立ったり、育児疲れでのやつれもあるでしょうが。。。
抜け毛や白髪の悩みも良く聞きますね。
これらには、2)でお話ししますが、身体の内側の変化が影響しているようです。
具体的には、ホルモンバランスの乱れから来る事が多いようです。
お悩みの質は少し違いますが、
生理前の不安定な肌質などを想像していただけると近いかと思います。
しかし、これらの表面上の悩みは、産後3~12ヶ月くらいで徐々によくなる方が多いようですね。


※※※おまけ※※※
~わたしの場合~
わたしは、結構太ったほうだと思います。
妊娠前は、164センチ、48キロ~51キロ当たりをうろちょろ。。。という体型でした。
妊娠後、MAX164センチ、66キロでした。
出産直後、164センチ、59キロでした。
その後、6ヶ月かけて、164センチ、52キロに戻り、産後19か月の現在は、妊娠前と変わらない体重に戻りました。
その他の変化としては、骨盤の幅が狭い体型だったので、出産直後は、骨盤のゆるみから、歩くときの心もとなさ、グラグラ感が半端無かったです。
産後すぐに、骨盤を補助するサポーター付けてました。
本当はすぐに整体に行きたかったのですが、育児が怒濤のように押し寄せて来たので、実際に、整体に行けるようになったのは、産後3か月過ぎてからでした。
また、ホルモンバランスの乱れからくるものだったのかと思うのですが、抜け毛が半端無く多かったです。
もともと髪の量が多かったので、普段から結構抜けてる方だと思ってたんですが、毎日小動物一匹分くらい抜けてました。はげる事はなかったけれど、産後6か月くらいまでは、激しく抜けてました。
おなじく、シミがとても濃くなっているのが気になって仕方なかったですね。
今も余韻がありますが、育児がだいぶこなれて来たからか、あまり気にしなくなったからか、妊娠前の肌質に戻ったように感じます。

現在の不調は、しつこい肩こりと膝関節痛、そして、生理が再開してから、なぜか生理開始と同時にひどい頭痛と食欲不振、めまいに襲われます。
この生理日の不調は、今後要経過観察なのですが、ホルモンバランスが乱れているのではないかな~と思う日々です。




2)身体の内側の変化

極度の疲労。

出産という一大事を終えた母体は、極度の疲労にさらされています。
産後の肥立ちが悪い。。。なんて言葉を聞いた事のある方もいると思います。
産後、元気が回復しないお母さんに使ったりしますね。
生きるか死ぬかっていう一大事なんです。疲れて当たり前。
まずは、ゆっくり、自分の身体を休ませる事も、母の大事な仕事なのです。
最初の一ヶ月は、ゆっくり、休む事に集中したいものです。

気分の高ぶり。


出産後、訳も分からずイライラしたり、涙が出たり、鬱々としたり。。。。。
少しの事が気になって仕方なかったり。。。。
産後のガルガル期、とも呼ばれたりしますね。
動物の出産を経験した事がある人は分かると思いますが、
犬や猫の母親も、出産後、本能的に子供を守ろうと攻撃的になりますね。
それと同じ、人間も動物の一種であるからには、そうした本能が働く事を理解しておきましょう。


ホルモンバランスの激変、乱れ。

妊娠、出産、産後と、女性の体内ではホルモンバランスが激変します。
ホルモンの中でも、特に激変するのは、2つ。
エストロゲン
卵胞ホルモンともいわれ、卵胞を育てる働きと子宮内膜を厚くする働きがあります。肌のコラーゲンを増やしたり、抗酸化作用があるほか、女性らしい肌や髪のハリ艶や体つきに影響を及ぼしています。
プロゲステロン
黄体ホルモンともいわれ、子宮内膜の状態を整えて妊娠時の母体と胎児を守る働きがあります。皮脂分泌を増やし、水分をため込む作用があり、むくみの原因になるほかイライラの原因でもあります。
ですね。

また、ホルモンのバランスは、自立神経系と密接です。
どちらも視床下部からの指令に基づいて働きます。
自律神経系は、分かりやすくいうと、身体を活動の状態にする働きと、休む状態にする働きの2つを司っている神経系です。
ですから、ココが乱れると、不眠や逆に常に眠いとか、無気力、イライラ、頭痛、めまい、など様々な症状が出ます。

産後のホルモンバランスの乱れについては、ググるとたくさん出てきますので、詳しく学びたい方は、専門の先生方の書かれたコラムをご覧になっていただくのが良いかと思います。

ここでは、とにかく、身体の内面のバランスの乱れ、崩れは、ホルモンバランスの変化と密接、と覚えて頂ければと思います。

ここで、一つだけ注意なのが、甲状腺の病気が隠れている場合がある、ということです。
ホルモンを分泌する器官には、甲状腺という顎の下、両首筋にある器官があります。
ここに異常がある場合、ホルモンバランスは乱れ、上記のような症状を引き起こす事があります。
わたしの場合でも、要経過観察、と書いたのは、この甲状腺の病気が隠れていないか、という観察をする、ということでもあります。
産後、1~2年経過しても、疲れや頭痛やめまいなど、倦怠感、疲労感、その他、何となくの不調が続く、など、気になった方は、一度、異常がないかのチェックをする、という意味を込めての病院受診をお勧めします。