http://miyagi-hok.org/?p=6310&utm_content=bufferb5370&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer
「宮城県保険医協会」
<転載>
地滑り地域に最終処分場は不適切
猪股加美町長 縦横に語る
2月25日、協会は指定廃棄物最終処分場問題をテーマとした公開講座を開催しました。「新たな被害者を出さないために」という演題で、加美町長の猪股洋文氏を講師に迎え、66人が参加しました。
猪股町長は講演の中で、指定廃棄物最終処分場候補地の詳細調査に反対している理由や、新たな被害者を出さないための提案について報告しました。環境省からの詳細調査に応じない理由として、①最終処分場は地域の衰退を招く、②田代岳は避けるべき地域(地滑り、斜面崩壊、豪雪地帯)である、③田代岳は候補地としての条件を満たしていない、④各県に被害者を作るべきではない――の4点を挙げました。
また、新たな被害者を出さないための提案として、燃やさず減容化を図ること、8,000Bq/kg以下の廃棄物についても国の責任で減容化すること、特措法を改正し、基本方針を見直すことの重要性について説明。5県分(宮城、茨城、栃木、群馬、千葉)の指定廃棄物を処分する場所は、東京電力所有の敷地内など他の場所もあることを指摘しました。
最後に、猪俣町長は町全体でエネルギーを自給する取り組みや、音楽や観光資源を生かした活動など、加美町が目指している町づくりについて説明。町の名前「加美」の通り、美しい町を更に美しくしたいことや、自給や雇用の観点から若者が自己実現できるような町を目指したいと語りました。
講演後、参加者から多数の質問が寄せられました。「受益者負担の問題についてどう思っているのか」という質問には、「都内の人達が他人事の様に考えているのは問題だ。都民を責めるというより、迷惑なものは東北に押し付けるといった国の姿勢を問題視すべきだと思う」と回答。「仙台で何を一番主張したいか」との問いには、「宮城県のどこかに処分場が作られれば、県全体に被害が及ぶ可能性がある。仙台市民にも、まずはこの問題に関心を持ってもらいたい」など、一つ一つ丁寧に答えました。
参加者からは、「なぜ加美町が詳細調査を拒否するのかが良く解りました。加美町だけが候補地から外れれば良いのではなく、新たな被害者を出さないという考えは素晴らしいと思います」「加美町の様な町づくりの政策や姿勢がいかに大事かと思いました。具体的なお話を聞くことができて有意義な講座でした」など感想が多数寄せられました。