極真会館・松井章圭館長に30億円追徴課税 | 脱税事件簿ブログ

極真会館・松井章圭館長に30億円追徴課税

(概要)
 総合人材サービス会社の旧グッドウィル・グループ(GWG)による人材派遣会社の買収を仲介した格闘技団体「国際空手道連盟極真会館」の松井章圭館長が東京国税局の税務調査を受け、仲介を巡って受け取った約100億円の所得の申告方法に誤りがあったとして、過少申告加算税を含めて約30億円を追徴課税されていたことがわかった。
 関係者によると、松井館長は2006年10月に実施されたGWGによる人材派遣会社「クリスタル」の買収の仲介に関与。その際に仲介した投資ファンドに出資しており、07年に分配金として株式と現金合わせて約100億円を受け取った。
 申告の際には、これらを譲渡所得と申告し、所得税額は十数億円だった。しかし、東京国税局の税務調査で、これらは、株や現金を譲り受けたことによる所得ではなく、仲介の報酬に当たるなどとして税率の高い雑所得と認定されたという。この買収を巡っては、仲介した投資事業会社「コリンシアンパートナーズ」元社長の公認会計士らが東京地検から法人税法違反で起訴され、東京地裁で有罪判決を言い渡されている。
【読売新聞11月10日】
 
(解説)
 「グッドウィル巡る脱税、元投資会社長に懲役3年 」の続き。
 
 グッドウィル・グループによる人材派遣会社の買収を仲介した投資事業会社「コリンシアンパートナーズ」元社長の公認会計士は実刑判決だった。
 
 一方、今回の報道の「国際空手道連盟極真会館」の松井館長は単なる追徴課税である。全然、違う。
 
 つまり、松井館長は、所得をごまかしていたわけではないということだ。分配金として株式と現金合わせて約100億円を受け取ったのだが、これを譲渡所得として申告したが国税に雑所得と認定されたということだ。
 
 譲渡所得は他の所得と区分され、定率の税金しか掛からない。一方、雑所得の場合は、他の所得と合算した上で、所得が多いほど高い税率となってしまう。そのため、30億円の追徴課税となったというわけだ。
 
 形式的には譲渡所得となるのだが、実質的に仲介報酬と思われるので、雑所得で妥当であろう。