次男と戦争 | うみへいく
めんどくさいSEASONS真っ盛りのいとですが、


最近軍艦に目覚めているので、よく自衛隊の話をします。
私の友達の「ひみつ氏」さんから私にメールが来ると、ワクワクして内容を読んでます。

最近だとアメリカイージス艦、フィッツジェラルドについての、ひみつ氏さんの専門的な考えや、海のルールに関する内容をとても興味深く読んでいました。





そこから戦争の話や、じーちゃん(私の父)の話なんかもします。



いとはネットを見まくるので、巷に溢れるいわゆる「ネトウヨ」とか「パヨク」とかいう言葉も知っています(言い方はともかく)。
そしてそのどちらも嫌っています。


そんなこんなで、昨夜は1時間くらい、「戦争の話」に花が咲きました。
珍しく私の話を真剣に聞いてくれていましたね。



70年前まで、この国が戦争をしていて、軍人さんが普通に軍服でその辺を闊歩していたことが、どうしてもいとにはピンと来ません。


話に聞いても、現在がこんなに発達していて、民主的な世界に生きているので、あまりにギャップがありすぎてわからないと言っていました。




私が小学生の頃は、問答無用に【日本は悪い国だった、日本人は残虐なことをアジアでして恥ずかしい民族だ、軍国主義の日本は最悪だった】と習っており、漠然と、アジア諸国に対して酷い国だったんだと思い込んでいました。


憲法9条は誇らしいものだと、本当に漠然と思っていました。


後に色んな情報を知ることになり、茫然とするのですが。


で、いとの世代だと、両方の情報に触れることになります。


だから自然といとの考えはこうなります。


「その戦争の時、その時代を生きていた人は、戦わなきゃ日本が滅んでしまうと思ったんでしょ。自分が死ななきゃ家族を守れないと思ったんでしょ。その気持ちは凄いよね!かっこいいよね!だけど、今の時代の感覚で言えば、そんな風に思わなきゃならない時代にもう一度戻るのは嫌だ。自由な考えで自由に生きたいから、戦争はしたくないよ。それでも中国や北朝鮮がもしもミサイルを飛ばして日本人を殺そうとするなら、俺は怒るよ。やるつもらなら俺だってやり返す。誰かが死ぬまで待つのは嫌だ。それにね、自衛隊は凄く頑張ってるよ。地震でも助けてくれたし、ひみつ氏さんだってずっと海に行ってるじゃない?どうして実際に存在して頑張ってくれてる自衛隊が違法なの?何が悪いのかわからない。自衛隊の人が戦争したいと言ったの?」


1960年代、日本は「反戦」で沸いていました。

ベトナム戦争もあったからでしょう。



日本の思想の振り子は、戦争の時代、極端に右側に振りきれていたと思います。


だから、余計に、今度は強い揺り返しが来たのではないと私は思いました。


それが強烈な「反戦」。




そして、国民と言うものは、政府が右側に寄れば左に引き戻したくなるものだし、政府が左側に寄れば、右へと引き戻したくなる。
そういうものなのではないかと思うのです。


それは、思想や発言の自由がある国だからこそ。


敗戦の代償は大きく、2017年にもなる現在でさえ、まだまだ振り子は揺れ続けています。


揺れるのは悪くない。
偏りすぎず、凝り固まらなければ。



日本は悪い国、と教えられて育った私の世代は多分、今、実はそうでもないという事実を突き付けられて心のバランスが取れません。


でも次男の世代になる頃には、また新しい見方をする世代が出来上がるのかもしれないと、ふと思いました。



私に出来ることは、私が父から聞いた話を伝えること、私が子どもの頃に習った昭和の歴史と今とでは見解が異なることもあること、


私が中国で実際に見聞してきたものを伝えること、


幸い、私の専門は歴史学なので、知りうる限りの情報を与えること。しかし、歴史は後々書き換えられて行くこと。


それから、私の知りうる限りの自衛隊の存在意味と彼らの仕事について。もちろん友人からの話も伝えています。



何故いとのじーちゃんが、テレビで特攻隊のことを見ると泣きながら敬礼してたのか、亡くなる前にどうしてもサイパンへ行きたがった理由はなんだったのか、


ただ伝えるだけです。


なるべく主観を抜いて。




あとはいとが自分で答えを探すんです。





70年前まで、あなたの国は世界の中で戦争をしていました。

そして日本には2つの原子爆弾が落とされ、その戦争は終わりました。


あなたが今のお母さんくらいの年齢になった時、あなたの国はどんな国になっているのでしょう。



いとにとっての遠い未来への質問状を、私は13才の息子に渡したのでした。