(8月21日 フジサンケイビジネスアイ)

マスクメーカーが過剰在庫に苦しんでいる。今年6月末のメーカー在庫が、前年同月に比べ約13倍に膨れあがったことが20日、全国マスク工業会の調べで分かった。新型インフルエンザの流行の収束や、家庭内備蓄が進んだためだ。在庫の多くは大人用とみられることから、小林製薬などメーカー各社は、販売好調を維持している子供用マスクの拡充や生産強化で、大人向けの需要低迷を乗り切りたい考えだ。

 同工業会によると、6月末のメーカー在庫は、前年同月に比べ12.59倍の14億5799万枚だった。4~6月の生産(輸入含む)は前年同期比63%減の2億7327万枚と、大幅に落ち込んでいる。

 マスクは新型インフルの感染が拡大した昨春以降、店頭で品薄が続いていたが、各社の増産や新規参入が相次ぎ、メーカー在庫は一転して膨らんだ。家庭内備蓄も進んだほか、今年は花粉の飛散量が少なかったことも販売に影を落とした。小売り大手などがプライベートブランド(PB、自主企画)商品の在庫を抱え、「国内メーカーの商品の販売が後回しになっている」ことも影響しているという。

 こうした状況を受け、各社は需要が堅調な子供向けマスクの強化に乗り出した。小林製薬は25日、主力の「のどぬーるぬれマスク こどもマスク」に小学校高学年向けを追加するほか、白元も9月下旬に「快適ガードプロ」から子供用を発売する。ユニ・チャームも市場の伸びに合わせ、生産体制を強化する方針だ。

 白元によると、園児~小学校3年生の子供を持つ母親200人のうち、今年の冬に向けてマスクの使用意向を聞いたところ、80.5%の母親が「子供にマスクを使わせたい」と回答。また小林製薬の調査によると、家庭内のマスクの保持枚数は7割が「10枚以上」としたのに対し、子供用は4割が「1枚もない」と答えており、子供用マスクの需要は今年はさらに伸びると見込まれている。

 現在、各社は「(新型インフルエンザ特需がなかった)一昨年よりも低い水準」(マスクメーカー幹部)の生産を余儀なくされており、需要開拓余地の大きい子供用に活路を開く戦略だ。

 ただ「子供用は過剰な在庫をカバーできるほどのボリュームではない」(マスクメーカー幹部)との見方もあり、先行きの不安感はぬぐえない状況だ。(引用終わり)


過ぎたるは、及ばざるがごとし 柳の下の二匹目のどじょうを狙うメーカーの健闘ぶりが伝わってくる。マスクの在庫の過剰はどのようにさばかれるのであろうか?そちらのほうに興味があるし、追いかけていきたい項目である。