(8月21日 毎日新聞)

サッカー・ワールドカップ(W杯)の「にわか景気」が冷めた南アフリカで、夜通し食料などを売る露店が増えている。露天商は大半が女性だ。W杯後も約25%という高い失業率は改善されておらず、物価も上昇している。「祭りの後」で市民が懸命に日銭を稼ぐ姿が街頭に目立つ。

 ヨハネスブルク郊外の旧黒人居住区ソウェト。日暮れとともに主要道路の歩道に食肉などを販売する簡易な露店が次々と現れる。ビール箱を置き、その上に鍋を乗せたら露店の営業開始だ。鍋の中には煮込んで軽く焼いた羊や牛の肉が積み重なっている。露天商の女性の手作りだ。

 夜間に営業するのはスーパーなどと競合しない工夫だ。平日は日暮れから午後10時ごろまで、週末は午後6時から徹夜で翌朝6時まで営業する。寒い夜はたき火をして、毛布をひざに掛けしのぐ。

 マンポ・ムファシャーネさん(42)も露天商の一人。3人の子どもの養育費などを捻出(ねんしゅつ)するために露天商を始めた。夫(45)の仕事が安定しないためだ。将来のことを時々、考えながら淡々と客を待つ。「生きるためよ」と言う。

 マンポさんの鍋の中は、羊肉で山盛りだ。頭は40南ア・ランド(約470円)、足は5ランド(約60円)。地元では人気の料理だ。常連客らによると「一般の食肉店より1~2割安い」という。マンポさんは平日で100~150ランド、週末は500~600ランドを稼ぐ。「W杯は国民に希望を与えたけれど、私らの生活は何ら変わらない。公務員のストライキも続いているし、みな厳しい状況なのよ」

 W杯は南アに約13万人分の雇用を創出したが、効果は一時的と言われる。露天商など農業を除くインフォーマル部門で働く市民は約200万人だ。(引用終わり)

アフリカの文化の根底を破壊しつくした西欧人たちは、またもや問題を作り出し、そして去って行った。

最初からにわか景気になるということは分かっていても、高い失業率を抱える南アフリカでは悠長なことは言っていられないと思う。このようなイベントが開かれる背景には、いろいろあるようだが、肝心なことは地元が潤えばいいのであるが、どうもそうはいかないようである。