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ドライオーガズムの発生原因について詳しい研究は
まだ全くされていませんが、私はドライオーガズム体験談から
ドライオーガズムの発生原因を
「自律神経、および視床下部の異常による脳内オピオイド系物質の過剰分泌」
であると考えています。前にもチラッと書きました。
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ところで、オピオイド系物質とはなんでしょうか。
オピオイド系物質とは脳内の神経伝達物質の一種類であり
エンドルフィンやエンケファリンといった、いわゆる
「脳内麻薬」といった物質の総称です。
人間がトランス状態に突入した際に脳内で分泌されるのがこの
オピオイド系だと言われています。「ランナーズハイ」の原因です。
また、人間が死ぬ間際に脳内で大量に分泌し、最期の
多幸感を得るのもこのオピオイド系と言われています。
ちなみにアヘンやモルヒネといった麻薬もオピオイドに含まれます。
脳内で自然に作られたものに限らないんですね。
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さて、何故ドライオーガズムが脳内オピオイドの過剰分泌であるという
仮説に至ったのかと言うと、理由は2つあります。
<理由その1>
まずは単純にドライ常習者、ドライ後遺症の症状が
アヘンやモルヒネの中毒症状に酷似していたからです。
自律神経失調、うつ、パニック障害、認知系障害を引き起こしつつ
統合失調症のような幻覚やせん妄にとらわれることが少ないからです。
覚醒剤のようなドーパミン異常の場合は強い精神疾患を
引き起こすはずですが、今のところそのような話は聞いていないです。
また、オピオイドの過剰分泌は脳内の扁桃体や海馬といった
大脳辺縁系にダメージを与えることが知られています。
海馬のダメージは脳内の短期記憶の機能を低下させ、
集中力低下、健忘症などの認知系の障害を引き起こします。
また、うつ病患者の脳検査にて海馬の機能低下が見られることから、
海馬の損傷がうつ病の発生原因ではないかとも言われています。
扁桃体へのダメージは人間の情動や好き嫌い、恐怖心といった
感情を失う、といった研究がなされています。この部位の疾患が
自閉症や離人症の原因なのではないかとも考えられています。
私自身に軽い離人感があり、現在悩まされています。
また「ドライオーガズムで悟りを開いた、怖いものがなくなった」
といった証言も、この扁桃体の障害ではないかと考えられます。
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また、このオピオイド仮説に至った理由がもう1つあります、それが
<理由その2>
エンドルフィンの生産される場所が視床下部と脳下垂体であるから
視床下部が交感神経・副交感神経といった自律神経の中枢であることは
以前にも何度か述べてきたことですが、
視床下部は摂食活動や性本能睡眠といった本能活動の中枢であり、
また、扁桃体と同じように不安や恐怖といった情動活動の中枢でもあります。
この部位の機能異常が自律神経失調、また不眠やED、うつや離人感
逆に性欲の異様な興奮など、ドライオーガズムの後遺症にピタリと
当てはまることは、ここまで読めばおわかりでしょう。
また、脳下垂体は視床下部に隣接した部位であり、体中の様々な
ホルモンのバランスを取っている器官であります。
この部位を損傷した場合、様々な自律神経疾患系不定愁訴を
呈するだけでなく、下垂体機能低下症という難病を引き起こします。
今のところドライ後遺症で下垂体機能低下症が起きたという
話を幸いにも聞いていません。が、もしなったら書き込みどころではないでしょう。
もしドライ後遺症が酷いという方はすぐに医師の診察を受けることをお勧めします。
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ドライオーガズムの後遺症とは何が起こっているのか。
自律神経の異常が視床下部でオピオイドの過剰分泌を生み、
そのオピオイドの過剰分泌が大脳辺縁系や視床下部、脳下垂体に
ダメージを与えるという悪循環が起こっているのではないかと
今のところ、私は考えています。
ここで書いた後遺症は全て脳に起因する後遺症ですが、
前まで書き込んだように前立腺や膀胱、下腹部に起因する
後遺症も考えられます。つまり、上下から2つの機序で後遺症が
さらに悪化しているのではないか、とも考えられるのです。
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今のところこのドライオーガズムについて真面目に研究している
研究者は(たぶん)居ません。
しかし、私はこのドライオーガズムが他の様々な脳疾患に匹敵するような
脳神経の異常事態であり、この研究を進めることで新たな脳神経学の一面を
切り開くことができるものと信じています。
そんなわけで、このブログもできるだけ新しいトピックが出来次第
更新して行こうと思っています。
もちろん私自信、今も精神科に通院している患者ですので、
飽きっぽくいつ突然やめるか解りませんが、このブログが一人でも
多くの人や医師、研究者の目に留まる事を祈って、
出来るだけ書き続けていこうと思います。