幻のオリエント急行【その1】
2017年の事(だったと思う)
Twitterの廃墟界隈にて、とある廃列車の存在が話題となった。
「幻のオリエント急行」
かつて滋賀県の琵琶湖畔に存在した遊園地"琵琶湖紅葉パラダイス"にて、ホテル・オリエントエクスプレスとして使用されていた本物のオリエント急行の客車。
1998年、遊園地の廃業に伴い、全て解体されてしまったと思われていたその客車が、
「実はまだどこかに存在しているのではないか」という噂が降って湧いた。
それもただの憶測ではなく、
なんと実際にそのオリエント急行の車輛が、どこかの山道の脇に、ボロボロの状態で放置されている写真も出てきたのだ。勿論、今流行りの画像生成AIの仕業ではない。
その写真をもとにTwitterの廃墟マニア(の中でも特に行動的な方々)による大捜索が敢行された。
そしてついには「件の写真を十数年前に撮影したのは自分だ」という人物も現れ、その方からの情報提供もあって、ほどなくして車輛が放置されていた場所が特定された。
しかし、時すでに遅し🍣
車輛が置かれていた痕跡であろう轍のようなものは確認できたものの、肝心の車輛自体は、跡形もなく消え去ってしまっていた。
やはり解体されてしまったのか……
一同が落胆する中に、一筋の光が差し込んだのは翌2018年3月の事。
「幻のオリエント急行は存在した!」
という文章に添えられ、前述の道路脇とは明らかに異なる深い藪の中で、朽ち果てながらもその原形を留めているオリエント急行の写真がTwitterに投稿されたのだ。
これには、家でストゼロ片手に一連の捜索劇を傍観していた僕も狂喜乱舞(笑)
是非是非、その幻のオリエント急行とやらを、この目で拝みたいと!
僕は件の捜索劇には何一つ寄与してないけど!(笑)
まあ、「発見された」とは言え、その所在地に関する情報は一切公表されていなかった(今は普通に晒されているようだが)為……
捜しましたとも。
そして見つけましたとも。
googleの衛星写真という文明の利器と何時間もにらめっこして、まあ恐らくこれで間違い無いだろうという物体を見つけましたとも。
でも問題はここからよ。
場所が粗方判ったとはいえ、何分"藪の中"である。
見たところ道なんか繋がっちゃいない。
さてどうしたものか。
こればっかりは、家で衛星画像を眺めていたって埒があかない。
現地に凸るしかないのである……(続く)