クラシック音楽の世界では、
フルートとハープのデュエットはごく普通のこと。
でも、民族音楽の世界で、
ケーナとアルパのデュエットは、ありそうで滅多にない
コンビ。
なぜかというと、
両者とも同じ南米大陸の民族楽器ながら、
ジャンルが違うからだ。
同じアルゼンチンの民族音楽でも
バンドネオンを中心とした『タンゴ』と、
ケーナを中心とした『フォルクローレ』では
全く違う音楽であるように
タンゴ楽団(バンドネオン、ヴァイオリン、コントラバス、ピアノなど)に
ケーナは必要なく、
フォルクローレ楽団(ケーナ、チャランゴ、ギター、ボンボ[太鼓])に
バンドネオンは必要ない。
こんなふうに同じ国の民族楽器でも、ジャンルが違えば互いに接点がない。
パラグアイで最も盛んで、北はメキシコから南はアルゼンチンまで
全ラテン・アメリカ的に演奏されているアルパだが、
たった一人で、左手で伴奏、右手で旋律を弾き、
つまり自立演奏ができる楽器であり、
特にほかの楽器の助けを必要とはしない。
ギターなどで伴奏の助演があれば、
アルパとしては旋律部分に専念できるので、共演楽器としては
ギターはありがたい存在だろう。
でもケーナがなくてもアルパは困らないし、第一、
ケーナとアルパの合奏曲というものは、
オリジナルの民族音楽には存在しない。
ケーナは、ペルー、ボリビア、アルゼンチンなどが
最も盛んな国で、中でもアルゼンチンとボリビアは、
南北からパラグアイに国境を接している。
地理的にも文化的にも決して遠くない
ケーナとアルパのように思われる。
しかし、ケーナとしては、共演する楽器は、
ギターやチャランゴ(アルマジロの甲羅のミニ・ギター)などのほうが
はるかに相性が良い。
ここで言う「相性」とは、音色のことではなく、やや専門的になるが、
調性(Key)の問題なのだ。
ズバリ言えば、
ケーナはト長調(in G)の楽器で、
アルパはヘ長調(in F)の楽器なのだ。
楽譜で書けば、ト長調は#が一個、ヘ長調は♭が一個。
ケーナはある程度調性の変化に対応できる楽器で、
♭一つのヘ長調から、#四つのホ長調くらいまで演奏が可能。
しかし当然運指は複雑になっていく。
やはり、#一個のト長調=G-major(平行調のホ短調/E-minor)や
#二個のニ長調=D-major(平行調のロ短調/B-minor)などが、
ケーナでは最も朗々と演奏できる調性(Key)なのだ。
アルパは37本の絃がヘ長調の音階に固定されている。
つまり、ファ・ソ・ラ・シ♭・ド・レ・ミ・ファ。
伝統的な楽器ではこの調絃を容易に替えることはできない。
クラシックで使ういわゆる現代のグランド・ハープは、
ペダルのおかげで半音の上げ下げが、瞬時に自在なので
何長調にも何短調にも対応可能である。
アルパでも最近、異ジャンルとの共演のために、
調絃レバーつきの楽器がある。
レバーによって絃の張力を変えて、曲ごとにヘ長調以外のKeyに
調絃を変えることができる。ペダルほど瞬時ではないものの、
曲間での変更が可能だ。
でもそういう楽器は値段が高い。
というわけで伝統的なアルパは、ヘ長調以外の曲の演奏は困難なため、
ケーナが、ギターの代わりとしてアルパと共演してもらうには、
ケーナのほうからアルパに歩み寄るしかない。
37cmのト長調のケーナよりも数センチ長い
42cmのヘ長調の特注のケーナのおかげで、ようやく
朗々とした音色でアルパと共演できるのである。
通常より長い、F管のケーナは、
「デッケーナ」とも呼ばれている
******************************
Duo QuenArpa
デュオ・ケーナルパ 南風のコンサート第2回
2010年
3月16日(火) 新月
昼の部:午後3:00開演
夜の部:午後7:00開演
東京オペラシティ3階 近江楽堂(おうみがくどう)
(京王新線初台駅下車すぐ)【定員120人】
カトリックの礼拝堂を模した
四つ葉のクローバー形の
素晴らしい音響のホールで、生音(なまおと)の
民族楽器にピッタリです。
前売料金:¥2500/当日券:¥2800
予定曲
♪コンドルは飛んで行く【自由の風求めて】
(ペルー)★D.A.ロブレス作曲
♪すみれ(アルゼンチン)★ウニャ・ラモス作曲
♪チョグイ鳥★パラグアイ伝統曲
♪カスカーダ【滝】(パラグアイ)★D.ガルシア作曲
♪ラ・ゴロンドリーナ【つばめ】★メキシコ民謡
♪ラ・サンドゥンガ★メキシコ民謡、オアハカ・ワルツ
♪コーヒールンバ(ベネズエラ)★J.M.ペローニ作曲
♪君偲ぶ夜(パラグアイ)★D.オルティス作曲
♪鳥の歌★カタルーニャ民謡
♪The Water Is Wide【広い河の岸辺】
★スコットランド民謡/八木倫明・訳詞
♪アメイジング・グレイス★讃美歌
♪黄色い村の門★アイルランド民謡
♪埴生の宿★R.ビショップ作曲
♪風の通り道★久石譲・作曲
♪シチリアーナ★イタリア・ルネッサンス音楽
♪在那遥遠的地方【草原情歌の原曲】(中国青海)★王洛賓・作曲
♪さとうきび畑★寺島尚彦・作
♪早春賦★中田章・作曲
♪木霊(こだま)★キース・ジャレット作曲
******************************
主催:デュオ・ケーナルパ
マネジメント:有限会社プラネット・ワイ
お申込み
【電話】(03)5988−9316【平日11時~18時】
プラネット・ワイ
【電話・FAX】(03)3977—6631
地球音楽工房 八木
quena-y@sirius.ocn.ne.jp
フルートとハープのデュエットはごく普通のこと。
でも、民族音楽の世界で、
ケーナとアルパのデュエットは、ありそうで滅多にない
コンビ。
なぜかというと、
両者とも同じ南米大陸の民族楽器ながら、
ジャンルが違うからだ。
同じアルゼンチンの民族音楽でも
バンドネオンを中心とした『タンゴ』と、
ケーナを中心とした『フォルクローレ』では
全く違う音楽であるように
タンゴ楽団(バンドネオン、ヴァイオリン、コントラバス、ピアノなど)に
ケーナは必要なく、
フォルクローレ楽団(ケーナ、チャランゴ、ギター、ボンボ[太鼓])に
バンドネオンは必要ない。
こんなふうに同じ国の民族楽器でも、ジャンルが違えば互いに接点がない。
パラグアイで最も盛んで、北はメキシコから南はアルゼンチンまで
全ラテン・アメリカ的に演奏されているアルパだが、
たった一人で、左手で伴奏、右手で旋律を弾き、
つまり自立演奏ができる楽器であり、
特にほかの楽器の助けを必要とはしない。
ギターなどで伴奏の助演があれば、
アルパとしては旋律部分に専念できるので、共演楽器としては
ギターはありがたい存在だろう。
でもケーナがなくてもアルパは困らないし、第一、
ケーナとアルパの合奏曲というものは、
オリジナルの民族音楽には存在しない。
ケーナは、ペルー、ボリビア、アルゼンチンなどが
最も盛んな国で、中でもアルゼンチンとボリビアは、
南北からパラグアイに国境を接している。
地理的にも文化的にも決して遠くない
ケーナとアルパのように思われる。
しかし、ケーナとしては、共演する楽器は、
ギターやチャランゴ(アルマジロの甲羅のミニ・ギター)などのほうが
はるかに相性が良い。
ここで言う「相性」とは、音色のことではなく、やや専門的になるが、
調性(Key)の問題なのだ。
ズバリ言えば、
ケーナはト長調(in G)の楽器で、
アルパはヘ長調(in F)の楽器なのだ。
楽譜で書けば、ト長調は#が一個、ヘ長調は♭が一個。
ケーナはある程度調性の変化に対応できる楽器で、
♭一つのヘ長調から、#四つのホ長調くらいまで演奏が可能。
しかし当然運指は複雑になっていく。
やはり、#一個のト長調=G-major(平行調のホ短調/E-minor)や
#二個のニ長調=D-major(平行調のロ短調/B-minor)などが、
ケーナでは最も朗々と演奏できる調性(Key)なのだ。
アルパは37本の絃がヘ長調の音階に固定されている。
つまり、ファ・ソ・ラ・シ♭・ド・レ・ミ・ファ。
伝統的な楽器ではこの調絃を容易に替えることはできない。
クラシックで使ういわゆる現代のグランド・ハープは、
ペダルのおかげで半音の上げ下げが、瞬時に自在なので
何長調にも何短調にも対応可能である。
アルパでも最近、異ジャンルとの共演のために、
調絃レバーつきの楽器がある。
レバーによって絃の張力を変えて、曲ごとにヘ長調以外のKeyに
調絃を変えることができる。ペダルほど瞬時ではないものの、
曲間での変更が可能だ。
でもそういう楽器は値段が高い。
というわけで伝統的なアルパは、ヘ長調以外の曲の演奏は困難なため、
ケーナが、ギターの代わりとしてアルパと共演してもらうには、
ケーナのほうからアルパに歩み寄るしかない。
37cmのト長調のケーナよりも数センチ長い
42cmのヘ長調の特注のケーナのおかげで、ようやく
朗々とした音色でアルパと共演できるのである。
通常より長い、F管のケーナは、
「デッケーナ」とも呼ばれている
******************************
Duo QuenArpa
デュオ・ケーナルパ 南風のコンサート第2回
2010年
3月16日(火) 新月
昼の部:午後3:00開演
夜の部:午後7:00開演
東京オペラシティ3階 近江楽堂(おうみがくどう)
(京王新線初台駅下車すぐ)【定員120人】
カトリックの礼拝堂を模した
四つ葉のクローバー形の
素晴らしい音響のホールで、生音(なまおと)の
民族楽器にピッタリです。
前売料金:¥2500/当日券:¥2800
予定曲
♪コンドルは飛んで行く【自由の風求めて】
(ペルー)★D.A.ロブレス作曲
♪すみれ(アルゼンチン)★ウニャ・ラモス作曲
♪チョグイ鳥★パラグアイ伝統曲
♪カスカーダ【滝】(パラグアイ)★D.ガルシア作曲
♪ラ・ゴロンドリーナ【つばめ】★メキシコ民謡
♪ラ・サンドゥンガ★メキシコ民謡、オアハカ・ワルツ
♪コーヒールンバ(ベネズエラ)★J.M.ペローニ作曲
♪君偲ぶ夜(パラグアイ)★D.オルティス作曲
♪鳥の歌★カタルーニャ民謡
♪The Water Is Wide【広い河の岸辺】
★スコットランド民謡/八木倫明・訳詞
♪アメイジング・グレイス★讃美歌
♪黄色い村の門★アイルランド民謡
♪埴生の宿★R.ビショップ作曲
♪風の通り道★久石譲・作曲
♪シチリアーナ★イタリア・ルネッサンス音楽
♪在那遥遠的地方【草原情歌の原曲】(中国青海)★王洛賓・作曲
♪さとうきび畑★寺島尚彦・作
♪早春賦★中田章・作曲
♪木霊(こだま)★キース・ジャレット作曲
******************************
主催:デュオ・ケーナルパ
マネジメント:有限会社プラネット・ワイ
お申込み
【電話】(03)5988−9316【平日11時~18時】
プラネット・ワイ
【電話・FAX】(03)3977—6631
地球音楽工房 八木
quena-y@sirius.ocn.ne.jp