元陸上選手で、現在はコメンテーター等をされている為末大氏は、かつてこの様な発言をされていました。

 

「日本では、勝ってスポーツが大好きになった人以外は、大嫌いになる傾向があります。若年層からの全国大会の勝ち抜きシステムが、勝てない子にとって楽しくない仕組みだからです。子供の時に、勝ち負けではないスポーツの面白さを感じていることが大事だと思うのです。」

 

これに関しては、私も同感です。

 

実際、高校生までサッカー一筋でやってきた選手でも、大学生や社会人になるとプレーをしなくなってしまう人も少なくありません。それも、少しうんざりした感じで、「サッカーはもういいや…」という、少し悲壮感が漂った感じになることが多い様に思います。

 

でも本来なら、好きで始めたものなので、その先も継続していく方が自然なことの様に思います。もちろん18歳を過ぎ、自分の力量を理解し、本気でプロを目指すのをやめたとか、優先順位を変えることは何ら問題ないですし、自然なことだと思います。ただ、全くボールを触らなくなってしまうというのは、少し寂しい気もしますし、健全なことである様には到底思えません。

 

前回のブログでも書いたことですが、過程を楽しむことができれば、そうはならないのではないかと思います。

 

例えば、それは全国大会に限ったことではなく、普段の紅白戦や練習試合でも、勝敗だけでなく、「何ができ、何ができなかった」かを明確に伝えてあげることさえできれば、成長の手応えや課題に挑戦しようという意欲を感じることができるものなのです。

そして何より、プレーすること自体の喜びや仲間と協力して戦うことの充実感は、得ることができるはずです。それがあれば、勝ち続けられなかったとしても(サッカーも人生も勝ち続けられることの方が少ないのです)、最低限の楽しみは担保できるのではないかと思います。

 

それを「負けたら何も残らない」という様な指導をすれば、疲弊するのは当然なのです。

 

少しでも成長した部分があれば、見逃さずに伝えること、そして、上手くプレーできなかった選手にも、励まし、モチベーションを保たせてあげることこそが、我々の役目ではないかと思っています。

ということで、引き続き、頑張っていきたい指導していきたいと思います!