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若い新米の木樵 巳之吉さんは
年老いたベテランの茂作とともに
川向うの柴山に入ったのですが
途中で日が暮れ雪が降ってきたため
あばら家で一晩過ごすことにしました
普段なら
小屋で用意の乾飯などを食べると
すぐに
寝付いてしまう巳之吉さんでしたが
その日は何やら寝苦しく
ふと目を覚ますと
長い黒髪を垂らし
白装束に身を包んだオンナが
外を舞う吹雪とともに戸口から
こちらを睨んでいました
オンナは茂作の枕元に立つと
吐息を茂作に吹きかけました
茂作の身体はみるみる凍りつき
息絶えてしまいました
巳之吉さんに覆いかぶさり
巳之吉さんが観念した時
『お前はまだ若い
今夜のことを話さなければ
助けてやることにした
しかし
もしも喋ったら生命はない』と
巳之吉さんに告げて
雪の降りしきる中に出て行きました

村にひとり戻った巳之吉さん
誰にも話す訳にもいかず
あの小屋にも近づかずに
静かに暮らしてました
ある日
川向うの山道で道に迷った若い娘を
巳之吉さんが助けます
娘は小雪といいました
小雪は美しく
巳之吉さんは恋に落ちて
やがて二人は結ばれます
二人の間には10人の子供が授かり
それでも若さを失わない小雪に
若い頃にあった不思議な体験を
漏らしてしまいます
すると
小雪は
『私こそが
その時の雪女
約束を違えた巳之吉は死ななければ
ならない
でも
子供たちのことを思うと
今 殺す訳にはいかない
子供たちに
もしもの事があった時
私はお前を必ず殺す』と言ったきり
小雪の身体は溶けて消え
姿が見えなくなってしまいました
・・・

これは
小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが
日本の民話を集め
怖い話しをまとめた『怪談』の中に
収められた雪女の話です
恐ろしくも悲しい雪女の話しは
傑作のひとつです
この舞台
実は青梅だったということ
ボクも長いこと知りませんでした
青梅は
戦前までは
大雪で立ち往生することが時々あった
豪雪地帯でした
そのころ
多摩川を跨ぐ調布橋
以前は渡し船が繋いでいましたが
そこを越えて青梅を出ていくことは
時に死を賭した冒険だったんですね・・・
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