華僑と印僑 | 外資系 戦略コンサルタントの着眼点

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東南アジアでの事業展開を検討していると、華僑、印僑(NRI)のネットワークに入り込むことの重要性が見えてきます。

華僑、印僑とは、中国国籍、インド国籍を持ちながら出身国以外の海外に住んでいる人たちのことで、先日も書きましたが、例えばインドネシアでは3%の華僑がビジネスの89割を牛耳っているぐらいに影響力があります。
先日の記事


華僑で東南アジアに2000万人、印僑で1000万人程度いると言われていますが、これらの人たちは国をまたいだ強いつながりがあります。

特に中国、インドでは地域によって言語が違うため、その言語圏をもとにしてかなり密接なネットワークができており、1人の有力者とビジネスの関係をつなぐことができると、その人の持っているネットワークを活用して、一気にビジネスを広げることが可能になります。

華僑のネットワークをたどると、インドネシアからタイ、マレーシア、シンガポール、フィリピンへとネットワークを拡大することができますし、印僑では、インドネシアからインド、そして中東とアフリカへと、東南アジアの枠を超えて事業を拡大することが可能です。

日本人の場合、こうした世界的な人的ネットワークが存在しないのでなかなか理解が難しいところですが、会社内における学閥に近いものだと言えば、理解しやすいでしょうか。

ビジネススクールで韓国人と日本人がすぐに仲良くなるのと一緒で、インターナショナルな環境になるほどに、背景の類似性が結びつきのドライバーとなります。

日本国内で人がどのようにつながっているのかを分析するように、世界で戦うためには、世界における人の結びつきを理解する必要があります。