サクソフォンでバッハのヴァイオリンパルティータ全曲???
一瞬想像できなかった。
どんな空間になるのだろうかと。
友人のおかげでとてもいいお席で聴けたので
その世界にどっぷりつかってみた。


バッハの無伴奏曲だけで構成された演奏会を聴いたのは
ヒラリー・ハーン以来。
私自身も自粛期間中一番弾いていたのは、パルティータ2番。

だからこそ、目をつぶって聴いてみたり、
奏者の緊張感を視覚的に共有しながら、
聴いてみた。

やはりヴァイオリンのために書かれた曲だから、
息を吹いて音が出る楽器では、難しいところもあるよね
というところが、なかったといえばうそになる。

そして、それぞれの曲の間、呼吸を整えるのが
かなり大変そうで、この方は、途中でぶっ倒れたりしないだろうかと、

心配になってしまったこともある。

 でも、目をつぶって聴いていると、オルガンの音を
思い起こさせる響きがところどころあり、
そこがとても素晴らしかった。

パルティータ1番と2番は、アルトサックスでの演奏。
パルティータ3番は、ソプラノサックスでの演奏。
いずれも譜面台を目の前においての演奏。

須川さんの演奏は、それまで、動画を通じて、
ポップスや映画音楽などを聴いたり
若者に指導したりする様子を見ることが多く、
そのセンスや教え方の姿勢に、ものすごく共感することが
多かったのだけど、

やはり、パルティータ3番は、ソプラノサックス
(アルトサックスより難しいの?)
と、楽器が小さくなったからか、
譜面台と楽器の間の空間ができて、
音楽とご自身が一体になって、
自然に自由に演奏されている様子が、
とても素晴らしかった。