スコットランド人は当然個人差はあれど

 

基本的に

 

食に関して非常に保守的な人種である。

 

良く言えば伝統を重んじる国民性であり、

 

悪く言えば小匙一杯ほどの冒険心もない

 

新しいメニューの開拓に

 

さほど興味のない彼らであるので、

 

食卓には通年似たような献立が並び、

 

どのレストランやカフェに行っても

 

メニューに載っている食べ物は

 

ほぼコピペ状態。

 

季節のメニューも創作料理も

 

日本に比べればないに等しいが、

 

恐らく目新しいものを開発したとて

 

それを注文する人間がいないのだろう。

 

これが良いか悪いかの判断はおまかせするが、

 

少なくとも私にとって

 

スコットランドの食事情は味気ないものである。

 

 

 

さて、エリックの両親もまた

 

典型的スコットランド人であるため

 

毎週食べているものは似たりよったりである。

 

ひょっとしたらこの辺の話

 

まだ覚えている方がいらっしゃるかもしれないが、

 

彼らも基本的に冒険には出ない主義であり、

 

仮に冒険するとしても

 

それは

 

「友達からこのレシピをもらったんだけど

友達が作ったら美味しかったらしいから

一度作ってみるわ。」

 

という前提条件ありきのものである。

 

 

 

 

新しいレシピにどんなトラウマがあるんだ。

 

 

 

 

さて、ある日のことである。

 

義実家で夕食をご馳走になった後で

 

マミーが私のところに雑誌を持ってきた。

 

 

 

マミー 「もん、あなた時々日本の料理は作るの?」

 

私 「そうですね、週の半分くらいはアジア系の料理ですよ。」

 

マミー 「レシピブックは日本から持ってきたの?」

 

私 「いえ、かさばるので特に家にはないですね。」

 

マミー 「実は私が買った雑誌に日本料理のレシピが載っていたのよ。

あなたも作りたいでしょう?

よかったらコピーしてあげましょうか?」

 

私 「何の料理でしょうか?」

 

マミー 「カツカレーって書いてあるわ。」

 

 

 

 

おぉう、全然いらないぞ。

 

 

 

 

私 「あー・・・カツカレーなら作れますので・・・

でもありがとうございます。」

 

マミー 「そう?レシピがないと困るでしょう。

また何か日本のレシピを見かけたら

コピーしておくわね。」

 

 

 

 

マミーの優しさが眩しすぎて

 

いや、ほんと全然心からお構いなく・・・

 

とは言えない私であった。

 

 

 

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こちらで英国人が"日本風"と呼ぶものは

 

高確率で日本と無関係だったりしますしね。

 

あとイギリスのカツカレーには

 

カツが乗っていないことがあります。

 

詐欺やん。