前回のあらすじ

 

二階にどエライ人が住んでた。

 

 

 

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さて、我々を一晩中騒音攻めにし、

 

普段温厚なエリックを怒らせた二階のアホ。

 

翌日エリックが苦情を言いに部屋まで行ったのだが、

 

意外にも彼女は申し訳なさそうな態度で

 

エリックにこんなことを語り始めた。

 

曰く

 

 

3階(我が家の上の上)に薬中の男が住んでいて、

 

その男が夜な夜な大きな音を立てて

 

2階の自分に嫌がらせをしている。

 

それがもうずっと続いているせいで

 

自分は憔悴しきっており、

 

つまり自分こそが被害者である。

 

昨夜も3階の男が大騒ぎしていたので

 

彼に罰を与えるために

 

あえて大声を出したり

 

テレビのボリュームを最大にしたりしていた。

 

 

 

ちなみに1階に私とエリックが越して来たことは

 

普通に知っていたが

 

間接的に我が家に被害が及ぶことについては

 

特に深く考えなかったらしい。

 

 

 

いや、そこは考えろよ。

 

 

 

とにかく彼女が一応謝罪したので

 

今回のことは水に流すことにした私達。

 

実はこの騒音女、エリック父と若干の面識があるため

 

うちとしても揉め事は避けたい。

 

まぁこれでしばらくは静かになるだろう、

 

と思ったのもつかの間

 

今度は誰かが我が家のドアをノックした。

 

数十分前に話したばかりの騒音女である。

 

 

 

エリック 「あれ?どうかしましたか?」

 

騒音女 「今3階の人に文句を言いに行ったんだけど、

本当に酷いのよ。

私に向かって暴言を吐いたの。

(中略)

私もうずっと彼の被害にあっていて

(中略)

彼のせいで眠れないし

(中略)

あの人やっぱりちょっとおかしいわ!!

あなたからはっきり迷惑だと伝えて頂戴!!」

 

エリック 「あの、すみません、気持ちは分かりますが、

うちはその方と面識がありませんし、

直接の被害もないので

どうしてあげることもできません。

ご飯中なのでこの話は今度にしてもらえますか?」

 

騒音女 「そうよね・・・でも私本当に困っていて、

(中略)

彼のせいでメンタルがぐちゃぐちゃで

(中略)

私の父も最近入院していて

(中略)

私自身もちょっと前に骨折しちゃって

(中略)

今は仕事もできなくて

(中略)

でも私、昨夜のことは本当申し訳ないと・・・」

 

 

 

 

いや、一切思ってないやろ。

 

 

 

 

本当に申し訳ないと思っているのなら

 

ご飯時に人んちの玄関で

 

20分もスピーチしたりは出来ないはずである。

 

 

 

エリック 「とにかく、今後は深夜に叫ぶことはやめて下さい。

本当に3階の方に問題があるのなら、

警察なり市民課なり、

然るべき機関に連絡する方が建設的ですよ。」

 

騒音女 「えぇそうね・・・分かったわ。」

 

 

 

と言ってようやく退散した彼女だったが、

 

まぁどうやら全然分かっていなかったようで

 

この後もエリックは眠れない日々を過ごした。

(なお私は普通に寝た)

 

 

 

(続く)