これまでのあらすじ
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さて、二階の騒音女から
「悪いのは全部全部三階の馬鹿よ!」
としつっこいくらい念を押された私達だが
そもそも私たちはこれをあまり信じていなかった。
というのもうちのアパートは
一階正面玄関を入ってすぐ階段があり、
三階までがぶち抜かれて吹き抜けになっている。
玄関から全部屋のドアが見える構造なので
時たまここに各部屋の音が響くのだが、
私たちは一度も
3階からの騒音なぞ聞いた試しがない。
2階の女性の罵声はよくホールに響いているが
3階に関しては静かなのである。
どういうことだってばよ・・・。
確かにこの3階の男性が
例えば
夜な夜な床を紙やすりで擦ってる
とかなら我々には知りようがないが、
少なくとも我々の知る限り
3階から常軌を逸した音が聞こえてきたことはない。
非常に恐ろしいことに、
こうなると残されるは
2階の女性がプラスチック爆弾並みにデリケートで
ほんのちょっとの物音にも過剰反応している
という可能性である。
神様、どうかうちに飛び火しませんように。
と思った時にはすでに時遅し、
今度はこの騒音女の向かいの住人A氏が
我が家に忠告に来た。
A 「ねぇ、あなた達、2階のあの人に関わらない方が良いわよ。
あの人トラブルメーカーなの。
この間はうちに来て、
あなた達の悪口を言いまくって帰ったわ。」
エリック 「え!どんな悪口ですか?」
A 「お宅から何時間もピアノの練習音が聞こえて来るせいで
日常生活がままならないそうよ。」
そもそもピアノがねぇよ。
ついでに言うとピアノ奏者もいないが、
どうやらとんでもない大法螺を
近所で吹いていた騒音女。
というかまず第一に
スコットランドは日本に比べて
生活音に対する制約がはるかにゆるく
例えばうちのアパートでは夜11時まで
常識的な生活音はお咎めなしと決まっている。
まぁさすがに法螺貝を吹き鳴らせば
警察がすっ飛んできても文句は言えないが、
電子ピアノくらいなら
十分生活音の範疇に含まれるので
仮に我が家にピアノがあったとしても
小さい音なら23時までは問題にならない。
それ以前に
深夜3時に全力でFワードを叫んでるアホが
どの口で我が家を批判するのかという話である。
ここから我々のご近所付き合いが暗礁に乗り上げ始める。
(悲しいことにまだまだ続く)