これまでの紆余曲折

 

 

二階にプラスチック爆弾(

 

 

 

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さて二階のアホ(現在進行形で何か叫んでる)

 

ないことないこと言いふらされていた私達。

 

とは言えうちのアパートには

 

彼女の話を真に受ける人もおらず、

 

私達も積極的に関わりたくなかったため

 

結局この問題は

 

そのままその辺に放置されることとなった。

 

彼女はその後も数か月

 

夜な夜な元気に怒鳴り続けていたが、

 

『スキル:無の境地』

 

を習得したエリックと私はこれを無視。

 

ひたすら無視。

 

こうして季節は夏となり

 

彼女の罵声が蝉の声に聞こえ始めた頃

 

事件が起きた。

 

なんと彼女が

 

怒り心頭で我が家にやって来たのである。

 

しかも第一声は

 

「毎日毎日うるさいわね!!静かにしてよ!!」

 

であった。

 

 

 

 

え?自己紹介?

 

 

 

 

唖然とするエリック氏と

 

リビングで会話を盗み聞きする私。

 

またしても彼女が

 

人んちの玄関でぶちかました大演説をまとめると

 

 

 

・ 今まで3階からと思っていた音は実は1階(我が家)からだった

 

・ 我々のせいで彼女は長年苦しめられて来た

 

・ 我が家から24時間365日エンドレスで天井や壁を叩く音がする

 

・ 今もドンドンうるさくて耐え切れず注意しに来た

 

・ 気付かないとは言わせない

 

 

 

ということである。

 

 

 

・・・・・・・・。

 

 

いや、もうどこからつっこめば良いか不明だが、

 

とりあえず、

 

エンドレスで日夜天井を叩きまくるとは、

 

どれだけ暇だと思われているんだ、うちは。

 

 

 

 

騒音女 「今さっきも音がしたわ!部屋で壁か何かを叩いてるのよ!!」

 

エリック 「僕たちは貴女の来る直前までご飯中でした。

ご飯中にそんな騒音を立てる訳がありません。」

 

騒音女 「ドアを何度も閉めたんでしょ!!」

 

エリック 「確かに一度キッチンのドアを閉めましたが・・・」

 

騒音女 「きっとそれよ!!あなたがバンバンバンバンドアを閉めるから、

うるさくて気が狂いそうなの!!!」

 

 

 

 

いや、うちのキッチン、引き戸ですがな。

 

 

 

 

そもそも

 

『長年お宅のせいで騒音被害に苦しめられて来た』

 

という彼女の主張に

 

我々は10文字で異議を申し立てる準備がある。

 

すなわち

 

 

 

「引越して来たの、2月」

 

 

 

である。

 

2月の時点で彼女は

 

「私は長年3階の騒音と戦って来たのだ」

 

と歴戦の兵士のような横顔で語っていたが、

 

彼女がその見えない敵に立ち向かっていた時

 

我々はまだ日本にいた。

 

コナン君もびっくりの崩せぬアリバイである。

 

と言うかそもそも

 

「実は犯人は3階じゃなくて貴方達だった」

 

と言うが、

 

それはつまり彼女が

 

全く見当違いな人間に数か月間罵声を浴びせていた

 

と認めることになる。

 

 

 

 

 

良いのかそれで。

 

 

 

 

 

開いた口の塞ぎ方が分からない。

 

 

 

 

(果てしなく続く)