これまでのお話 → 

 

 

 

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突然のお知らせだが、

 

私は臀部が非常にデカいことで有名である。

 

お尻もデカいが特に骨盤周りがゴツイので

 

昔から私には

 

自分はきっと安産だろう

 

という漠然とした自信があった。

 

なんなら出産前から

 

「安産過ぎて一瞬で生まれちゃいました☆」

 

みたいなブログの文章を

 

頭の中で作成していたくらいである。

 

 

 

ところがどっこい。

 

 

 

命をかけ夕食を食べたは良いものの

 

一向に開く気配のない私の子宮口は

 

丸一日粘って驚きの1cmだった。

 

陣痛はずっと3分間隔だったので

 

私としては可及的速やかに産みたいところだが、

 

「日付変わる前に生まれますよね?!」

 

という私の鬼気迫る問いに

 

助産師さんは遠い目をするばかりである。

 

 

 

 

まさかの陣痛室2泊目!!!!

 

 

 

 

さすがに同情されたのか

 

エリックの付き添いが許可されたのは

 

不幸中の幸いだったが、

 

もうこの辺りから痛くて痛くて

 

正直記憶がおぼろげな私。

 

助産師さんの提案でモルヒネを打ち

 

30分くらいは正気を取り戻したが

 

効果が切れたあたりから

 

私の記憶は完全に吹っ飛び、

 

気が付いたら明け方で

 

一体どうやって移動したのか

 

いつの間にか私は分娩室にいた。

 

 

 

記憶の飛び方が完全に酔っ払いのそれやな。

 

 

 

ちなみにエリックは

 

この時の日の出を一生忘れない

 

と言っていたが

 

残念なことに私の記憶には全くない。

 

 

 

さて、分娩室に到着して

 

すぐに笑気ガスのマスクを渡された私。

 

これを吸うと若干頭がぼおっとして

 

痛みを逃しやすくなるのだが、

 

人によってかなり効き目に差があり

 

全く効かない人も多いと言う。

 

 

が、私にはこれが効果てきめん。

(助産師さん曰く、アルコールに弱い人には効きやすいらしい)

 

 

そもそもこの時点で

 

二日徹夜 + モルヒネ投与後

 

と言うこともあり、

 

頭がぼおっとするを通り越し

 

 

ウォッカの一気飲みでもなさったんで?

 

 

というくらい

 

ぐでんぐでんの妊婦爆誕である。

 

具体的なことは一切私の記憶にはないが、

 

エリック曰く

 

突然友人の名前を呼び始めたり、

 

エリックの日本語を添削しだしたり、

 

助産師さんに

 

「リラックスできる音楽でもかけましょうか?

普段何を聴いてるの?」

 

ときかれて

 

「モーツァルト」

 

と真顔で大嘘をついたり、

 

エリックに向かって

 

「ねぇ、彼女いるの?」

 

ととんでもない質問を始めたり、

 

それはそれは制御不能だったらしい。

 

また、お産を進めるために

 

陣痛促進剤を使ったところ

 

こちらも効きすぎて

 

陣痛が30秒間隔になってしまったらしく、

 

もう現場はただの修羅場である。

 

 

私は覚えていないので関係ないが。

 

 

結局私が辛うじて理性を取り戻したのは

 

昼前についに麻酔科医が登場し

 

硬膜外麻酔を打たれた後だった。

 

 

 

そろそろ生みたい。

 

 

 

私は心の底から神に祈った。

 

 

 

〈続く〉

 

 

 

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モルヒネは助産師さん曰く

 

よく効くけど吐き気を催すかも

 

とのことでしたが

 

私的には

 

効果は一瞬、副作用はありませんでした。

 

笑気ガスは

 

こんなにキマっちゃう人は滅多にいないらしく

 

気休めにしかならない場合も多い模様。

 

硬膜外麻酔は

 

麻酔科医による管理が必要ですが、

 

心安らかに出産したい方にはおすすめです。