マミー(義母)の趣味は

 

家族全員のスケジュールを把握し、

 

各々があるべき場所にあって、

 

なすべきことをなせるよう、

 

全力でサポートすることである。

 

ちなみにこれには私も含まれており、

 

義母は私の美容院の予定も

 

合唱の練習日もしっかり把握している。

 

一般的に言えば

 

義母に自分の予定を把握されるなど

 

たまったものではないのかもしれないが、

 

うちのマミーは一味違う。

 

なんせ彼女は予定の前日に

 

 

『明日の午後は美容院ですね☺

ちょっと肌寒くなるようなので

上着を持って行くことをおすすめします。

天気は曇りの予定です。

○○道路が工事中なので

少し早めのバスに乗る方が

良いかもしれません。』

 

 

とお役立ち情報満載のメッセージをくれる

 

秘書機能搭載型義母なのである。

 

 

 

スマホよりはるかに有能。

 

 

 

さて、そんなマミーだが

 

先日

 

彼女の手腕が問われる出来事が起きた。

 

その日エリックは所用で

 

ロンドンに行ったのだが、

 

そこにフランシス義兄さんが

 

パリから電車で合流。

 

さらに同日、

 

長兄ジムとその家族が

 

フランスでのホリデーから

 

フェリーで帰国する予定になっており、

 

その上なんとダディも

 

同じ日に北スコットランドまで

 

一泊で出かけることになっていた。

 

つまり一族でこの街にいたのは

 

マミーと私とぽんただけだったのだが、

 

全員分の位置情報と安否確認、

 

天気の確認、

 

交通機関の遅延情報などを

 

全て網羅せねばならないマミーは

 

睡眠も儘ならぬほど大忙しである。

 

いや、冷静に考えると

 

別にそんなことをする必要はないのだが

 

とにかく一日中全員にメッセージを送り

 

さらに何故かその情報を

 

私にもメッセージで送って来たマミー。

 

正直長兄一家のフェリーの時間など

 

私にはミジンコ程も関係なかったが、

 

まぁ忙しい忙しいと言いつつ

 

彼女の顔はきらきらと輝いていたので

 

きっとこれが生き甲斐なのだろう。

 

ちなみにエリックとフランシスが

 

途中から全く返事をしなくなったせいで

 

マミーから私のところに

 

 

「二人は何時に落ちあう予定ですか?」

 

「二人は今晩どこでご飯を食べるのかしら?」

 

「明日のエリックの電車の時間は?」

 

「ホテルの名前を教えてください」

 

 

と怒涛のメッセージが来ていたが、

 

私の返事はいつだってたった一つである。

 

 

 

 

知らん。

 

 

 

 

実に役に立たない嫁である。