もう10年近く前になるが

 

私は3か月ほど

 

イングランドの町に住んでいたことがある。

 

ロンドンから電車で1時間かそこらの距離で

 

中世のお城が有名な町だったのだが

 

当時そこであるフランス人女性と知り合った。

 

最初に書いておくが、

 

私はこの友人がそこそこ苦手だった。

 

彼女との間には、

 

文化の違い以前の

 

何か根本的な性格の不一致を

 

私は常に感じていたのだが

 

むこうは案外そうでもなかったのか、

 

なんだかんだと遊びに誘われ

 

断り切れない私は

 

当時よく一緒にでかけていた。

 

彼女には7歳の息子がいたのだが

 

この息子もなかなかの減らず口で、

 

私はこの子と一緒に出かけるのを

 

ちょっと苦痛に感じていた。

 

 

 

さて、数日前のことである。

 

Facebookを開くと

 

なんとこの息子からメッセージが来ていた。

 

息子は10年前からアカウントを持っており

 

一応私と友達だったのだが、

 

この10年間

 

一度も何かを投稿したことがなかった。

 

ちなみに母親の方のアカウントも

 

ずっと沈黙を保っているので、

 

私がスコットランドに引っ越して以降

 

この親子とは完全に疎遠状態。

 

一体今さら何の用だと言うのだろうか。

 

 

アカウント乗っ取り?

 

 

と思いながらメッセージを開くと

 

そこには

 

『久しぶり。実は来年日本に行くことになりました。』

 

と書かれている。

 

わざわざそんなことを

 

私に連絡してくる意味が分からず、

 

東京行くから数日泊めて!

 

とかどうせ言ってくるのでは

 

と狭量な私は一瞬思ったのだが、

 

続いて送られて来たメッセージは

 

なんと

 

 

『実はこの2年間日本語を勉強していて、

来年春から日本に住むことが決まった。』

 

であった。

 

さらに続いて

 

『もんに会ってから日本に興味がわいて、

日本のアニメを見始めた。

そしたら日本語も勉強してみたくなって

日本の大学に行くことになった。』

 

とメッセージが来た。

 

 

 

この展開はちょっと予想してなかったわ。

 

 

 

10年前、当時無邪気な7歳とは言え

 

彼はアジア人を小馬鹿にしている節があった。

 

母親の見ていない隙に

 

私を見てつり目のポーズをしたこともあった。

(※欧米人がアジア人を揶揄する時にするポーズ)

 

どう好意的に見ても

 

日本に留学しそうな気配はなかったが、

 

一体どこでフラグが立ったのか。

 

やはり10年も経つと人は変わるのか。

 

本当に私の存在が彼の人生に

 

多かれ少なかれ影響を与えたのだとしたら

 

なんだか不思議な気分である。

 

 

 

こんな日が来るのか、としみじみ思った。

 
 
 
 
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ちなみにこの親子のエピソードはこちら。