海外で子育てを始めて

 

私がぶち当たった最初の壁は離乳食である。

 

なんせ離乳食に必要な様々な食材が

 

ここでは手に入らなかったり、

 

凄まじく割高になってしまう。

 

それでもうちは米が手に入るだけマシで、

 

米すら入手困難な国では

 

離乳食を開始早々クライマックスだろう。

 

ちなみにスコットランドでは

 

お粥の代わりにふやかしたシリアルを与えるが、

 

我が家は誰もシリアルを食べないので

 

ぽんたはまだシリアルを食べたことがない。

 

 

 

というような話を義家族としていたら

 

義母がこう言った。

 

「エリックの時はシリアルから始めて

その後はスクランブルエッグをあげてたわ。

ぽんたにもスクランブルエッグをあげたら?」

 

 

 

 

いや、いきなり卵て。

 

 

 

 

日本の離乳食のアプリでは

 

アレルギー対策のために

 

卵黄を耳掻き一杯から始めるように

 

丁寧に注釈が書かれているが、

 

確かにこちらで保健師さんにもらった資料には

 

「卵 : 最初は半熟で与えないように」

 

としか書かれていない。

 

そういえば保健師さんは

 

「デザートにはカスタードがおすすめよ」

 

とも言っていたので

 

こちらの赤ちゃんは日本の赤ちゃんに比べ

 

大分大雑把に育てられている感が否めない。

 

別に考え方の違いは否定しないが

 

今のところうちのぽんたには好き嫌いがなく、

 

トマトもほうれん草も靴下ももりもり食べる。

 

あえて今果敢に卵に挑戦する必要もないかと・・・

 

と義母に説明していたところ

 

今度は横で聞いていた義姉がこういった。

 

 

「赤ちゃんは野菜や卵なんか食べないわよ。

バナナとリンゴのペーストを混ぜて

それを毎食あげれば良いの。

うちの子はそれで大きくなったわ。」

 

 

 

こっちも大雑把!

 

 

 

ちなみに甥っ子は現在16歳だが

 

恐ろしく偏食でトマトしか野菜が食べられず、

 

週の半分はミートスパゲティである。

 

乳幼児ならさておき16でこの食生活は

 

食育に成功したとは些か言い難い気がするが、

 

まぁそこを突っ込むのはやめておこう。

 

ちなみにエリックも実は子供の頃超偏食で

 

毎食チキンナゲットだったらしいが、

 

今では納豆以外なんでも食べるので

 

偏食っ子の保護者の皆様におかれましては

 

どうぞ安心して頂きたい。

 

 

 

子どもが生まれる前、

 

私はスコットランド人の育児はなんて適当なんだ

 

と心の中で若干引いていた。

 

いや正直今でもドン引きする部分はあるのだが、

 

それでも思うのは

 

日本人、とりわけ母親は

 

もっと気楽に育児したを方が良い

 

ということである。

 

スコットランドで育児をして思うが、

 

ここでは母親に対する周りの期待値が低い。

 

というか偶像化された理想の母親像がない。

 

離乳食ひとつ取っても本当に緩く、

 

子どもが幸せならなんでも良いじゃない

 

のスタンスである。

 

義母からも

 

「たまには市販の離乳食をあげれば良いのに」

 

と言われるくらいなので、

 

手作りのおやつなど作ったら

 

国から表彰されてしまうのではないだろうか。

 

正直緩すぎて理解不能な時もあるので

 

今は日本とスコットランドの

 

ちょうど良い中間を探っているところだが、

 

好きに育児が出来るという意味では

 

スコットランド生活も悪くない

 

と感じる今日この頃である。