一昨年日本語を教えていた生徒の中に
物凄いお金持ちの息子がいた。
父親は病院長だが同時に会社も経営、
一等地にマンションを3棟所有し
自宅は首都郊外の豪邸と
街中の高級マンションを使い分けているという
本物の金持ちである。
その息子が27歳にして日本留学を決意し
一時期週3回くらいレッスンをしていたのだが、
ある時彼が
ものすごく落ち込んで登場したことがあった。
私 「あれ、Pさん、どうしたんですか?」
P 「実は、彼女がいるのデスガ、
もう電話して来ないでと言われマシタ。」
私 「あらら、喧嘩ですか?」
P 「いえ、ちょっといろいろあって、
もう連絡を止めて欲しいらしいデス。」
私 「そうなんですね・・・。付き合って長いんですか?」
P 「いえ、実はまだ付き合ってイマセン。」
うん?
私 「あ、女友達ということですか?」
P 「いえ、まだ正式に付き合っていないケド、
僕はこの人が好きで、
もう彼女も同然だと思ってイマス。
彼女には僕が日本に留学する時に、
一緒に来てほしいとお願いしマシタ。」
私 「それでOKされたんですか?」
P 「いえ仕事があるからと断られマシタ。
だから僕は彼女に
「君の移住費用は父が全部払うから何の心配もいらない」
と伝えマシタ。」
私 「それは・・・太っ腹ですね・・・。」
P 「それでも彼女はOKしなかったノデ、
僕の父の会社のHPを見せて
「うちにはこれだけの資産がアリマス」
と伝えマシタ。」
私 「な、なるほど?」
P 「それから、僕の父のWikiページがあるので、
それも見せマシタ。
そしたら、着信拒否されマシタ。」
私 「そ、そうですか・・・。」
P 「本当に理解できマセン!
僕はお金持ちなのに、
何が不満なんデスカ!?」
多分そういうとこやで
・・・とはさすがの私も言えなかった。
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その後いろいろあって、
結局彼女は日本で作ることにしたそうです。