イギリスで子育てをする上で

 

週に100回は聞く言葉が"teething"である。

 

"teething"という言葉自体は

 

元々歯が生えて来ることや

 

それに伴うぐずぐずを表す単語で

 

日本語に訳すなら「歯ぐずり」らしいが、

 

イギリスでこの"teething"は

 

日本語の1万倍は広い意味で使われており、

 

幼児期のあらゆる不調はもれなく

 

"teething"で片付けられる傾向にある。

 

微熱や頬の赤みくらいなら分からんこともないが、

 

咳が出ても"teething"、

 

下痢をしても"teething"。

 

嘔吐しても尻が腫れても突然泣き出しても

 

「まぁ可哀そうに、"teething"ね。」

 

で終わりである。

 

先日ぽんたの全身に謎の発疹が出現し

 

すわ風疹か水疱瘡かと

 

慌てて病院に駆け込んだ結果

 

ごく軽い感染症と判明したのだが、

 

それを義母に話したところ

 

「"teething"よ。発疹が出ることもあるもの。」

 

と謎の診断が下され、

 

さらにぽんたの鼻水を見て

 

「あら、"teething"かしら・・・。」

 

とも呟いていたから驚きの汎用性である。

 

 

 

もはやなんか怪しい宗教。

 

 

 

体と心のあらゆる不調が

 

全て歯のせいである訳がない。

 

事実イギリスでも

 

「全て"teething"という思い込みは危険」

 

と国から注意がなされているくらいなのだが、

 

この不思議な民間信仰には

 

やたら根強いファンが多い。

 

全ての体調不良に

 

【teething】

 

とラベルを貼るだけの簡単なお仕事なので

 

まぁ確かに親としては楽だと思うが、

 

正直ちょっと理解不能だと思う私である。