朝の連続テレビ小説「スカーレット」第3週~第5週(火曜日)までの感想です。


ちび喜美ちゃんの時は楽しく見ていました。


名作に近いものになるかもと期待しました。


期待してしまった分、今はちょっと残念な気持ちです。


だから良い点も悪い点も感じたことを素直に書きますが、楽しく見ている方はこの先は読まない方が良いと思います。


読んでガッカリされたり悲しい気持ちになったりされたりするのは不本意ですので。


前作は登場人物に魅力がなくて人間味もなくて話もツッコミどころだらけでつまらないしイライラしました。


それに比べたら、今回は人間味はあると思うしちゃんとドラマにはなっていると思うし見せ場もあると思います。


ただ、これといって好きな登場人物がいないこと、逆に不快になる人がちらほらいること、優しいエピソードもあるけれど全部表面的な優しさで、心の奥からグッとくるような優しさがほとんどないことが気になっています。


表面的というのは例えば大野夫妻は優しくて好きでしたが、お父ちゃんが酒を飲むことを止めてはくれないんですよね。(第5週)


それから荒木荘の面々も微妙です。


まずはさださん。


15歳の女の子が大阪に来たのに迎えに行かない。


本当に忘れていたの?


狸っぽい性格だからちょっと怪しいかも汗


十代の女の子の内職のお金をあてにして下宿を続ける雄太郎さん。


狂ってます。



歌ってもおもろないです。


十代の女の子に下宿代の取り立てをさせて立て替えさせるさださん。


鬼畜です。



ちや子さんはいい人だと思います。


ただ、そのちや子さんをたらしこめたのが(言葉悪っ!)喜美ちゃんが言った「(初任給で口紅をあげて)ちや子さんに元気になってもらいたかった」でした。


口紅は高いものだと思うし、そこは信楽のお母さんに贈りたかったと言った方が自然だし・・・なぜちや子さんに?と思いました。


『お母さんに口紅を贈りたいという健気な女の子を応援したい』と思ったちや子さんが喜美ちゃんの力になってくれる、というエピソードで充分な気がします。


でも、身内よりも赤の他人に施したがるというのはお父ちゃんの血ってことなのでしょうか。(^^;)←実は計算し尽くされた脚本?


正直自分にとっては荒木荘の誰一人として大切な人がいないです。


(大久保さんが一番まともだったかも・・・。)


喜美ちゃんは頑張っていると思います。


だけど荒木荘に来てからの苦労は、大久保さんから言われたストッキングの修理だけという印象です。


大久保さんに仕込んでもらっている喜美ちゃんをもっとちゃんと見せて欲しかったです。


お父ちゃんが喜美ちゃんの給料の前借に来た時のエピソードは良かったです。


お金を前にしたら喜美ちゃんが急に気前が良くなってお父ちゃんを許した上にお金を全部持って行っていいと言いました。


これ以上ない回収でした!


でも喜美ちゃんがお父さんに3年は信楽に帰らないと言ったのは、許せない気持ちがあったからだと私は解釈しました。


お父ちゃんにお金を渡せて満足な喜美ちゃんと、すべてを分かっている様に微笑ましく見ていた大久保さんが良かったです。


その後のかぶらのやり取りも。


ああいう場面がもっと見たかったです。



ところが、あのストッキングエピが回収されたら大久保さんはすぐに退場してしまいました。


別れの場面すら描かれなかったのが残念ですしょぼん


あと新聞社からの引き抜きの話がありましたが、お金大好き喜美ちゃんが「途中で投げ出すのは嫌」と思い直したのが唐突だったので、お父ちゃんと大久保さんの会話で『実は大久保さんが密かに自分を認めてくれている』ということが分かって転職をやめたという方が自然な流れで良かったです。


あとは、川原家で働いていた二人の若者による盗難を匂わせるようなエピソードが嫌でした。


盗難がなくても前借のエピソードは成り立つと思うし、二人の若者のせいにしなくてもただ泥棒が入ったというだけで良かったのに・・・。


お父ちゃんはあの二人を庇っていましたが、それが正しかったというエピソードが入るのかと思ったらそのまま3年が過ぎてしまって後日談すらなく、雑な話だなぁという強い不満が残りました。


狭い町で雇い主のお金を盗って逃げますかね???




その後は喜美ちゃんの初恋エピソード。


泉田あき子さん(佐津川愛美)のキャラクターは強烈で面白かったですにひひ


なんかちょこちょことイライラする感じが笑えました。


それを実は怒っていた喜美ちゃんにも笑いました
にひひ


おはぎの使い方が巧かったです。


でも圭介(溝端淳平)さんが出ていく日のおはぎはちょっとくどかったです。


それから草間さんとの再会がありました。


(喜美ちゃんはよく「クサマリュウジュウドウ」を連呼しますが、草間さんに柔道を習った期間は短いと思うのでこれには違和感があります。)


草間さんの奥さんのエピソードは切なかったです。


まず草間さんの奥さんが生きていることを知った喜美ちゃんがすごく喜んで、その後奥さんが別の人と暮らしてお店をやっていると聞いて悲しんでいる場面でグッと来ました。


食堂でのやり取りも重く切なく良かったですが、お店を出るときに草間さんが奥さんに何か話しかけようとして、入ってきたお客さんにいきなりつわりの話をされるというのがやり過ぎというかあせる


このドラマは、お父ちゃんの前借未遂とストッキングで解決、火鉢を磨きながら圭介さんとお別れの場面、草間さんの奥さんの食堂の場面など、まず「見せたい場面」があって逆算して作られている気がします。


だけどたまにそこに持って行くまでが強引で、雑に感じたりくどいと感じたりするのが残念です。


ちや子さんの職場の話も雑に感じました。


最初から弱小新聞社だったので喜美ちゃんの引き抜き話(中卒の女の子に5,000円!!)から雑だと感じましたが、ちや子さんと平田さんの関係ももう少し丁寧に描いて欲しかったですし、平田さんがちや子さんに黙って会社を辞めてしまったのも冷たいというか残念なエピソードに感じました。


言い出せなかったというのはあると思うのですが、「切ない場面」を作る為なのかもしれないですね。


しかし、借金を踏み倒して夜逃げするお父ちゃん、就職の内定を簡単に取り消す友達のお父さん、無理矢理雇ってくれたお父ちゃんを裏切ってお金を持ち逃げした2人(?)、駅まで迎えに行かないさださん、十代の女の子の内職のお金をあてにする下宿人(大の男)と大家のさださん、ちや子さんに何も言わずに退職した平田さん、それとちや子さんの職場の男たち。


良い人たちもいることはいるんですけど、何だか義理人情がない人たちが多すぎる気がしますガーン


ドタバタ明るい雰囲気でやっていますけど結構悲惨な話ですよね。




一番悲惨なのは喜美ちゃんの家庭環境でしょう。


喜美ちゃんの不幸はほとんどお父ちゃんによるものです。



「おしん」は山形の農村という時代背景があってこその苦労だったけれど、信楽の人達はみんなそれほど貧乏でもない様で、主人公一家だけが苦労していて、その原因はお父ちゃんに商才がないことと酒飲みだということなんですよね。


お父ちゃんがまともな人なら喜美ちゃんの苦労はほとんどないはずなんです。


お父ちゃんはお父ちゃんなりに子供に愛情があるようには描かれていますが、奥さんが倒れて薬代も払えないのに飲んだくれているというのは解せません。


あと直子が役立たずで生意気なままというのも解せません。


北村一輝さんも桜庭ななみちゃんも気の毒です。


あと嘘が多いのも気になります。


新聞社の体験入社?やら、お母さんが倒れたと言って喜美ちゃんを信楽に戻したりやら。


お父ちゃんの嘘に付き合って、隠れていたお母ちゃんも同罪です。


ハグしたり「喜美子の気持ちは!」なんて言っても本気で喜美ちゃんのことを考えている様に見えないですし・・・。


喜美ちゃんが15歳で大阪に行かされた時も黙ってうつむいていた気がしますし。


日本の女性陶芸家の草分けの神山清子さんがモデルとのことなので、陶芸に関わって来るころまでは創作としてゆる~く見るしかないのでしょうかねガーン


作り手の「面白いものを届けたい」という気概は感じられると思うんですけど、時間がないとか場面をカットしてこういう感じになっているのでしょうか。


今再放送している「ゲゲゲの女房」は15分に良いエピソードがギュッと詰まっていると思います。


「うちの人は本物の漫画家ですけん!」は何年経っても色褪せない名場面です。


夜に放送されている連ドラでもその世界観にハマれるものがいくつかあります。


(「俺の話は長い」「同期のサクラ」「まだ結婚できない男」辺りを2週遅れ位で見ています。)


このドラマの世界観にはなぜかハマれないんですよね。。


最近、喜美ちゃんの失恋とか、草間さんの奥さんエピとかちょこちょこ良い場面もあると思って見てはいます。


だけどなんか単発な感じなんですよね。


これから陶芸に関わって来ると思うので、気長に待とうと思います真顔