これは自分の中にもあることなので、自分に対する注意喚起としても書いておこうと思う。

 

よく 「お友達価格」 という割引をすることがあると思います。この”お友達”の意識は甘えを生みやすく、人間関係のトラブルとなり得ると考えています。お互いに節度を持った大人の対応であれば問題は起こりません。多分。

 

例えば、

定価1,000円の商品を、仕入れ価格の800円で”お友達価格”で譲るような場合、一度されると「ずっと」お友達価格で買おうという甘えが芽生えたりしませんか?

 

次回も「800円でいい?いいよね!」というやり取りとなれば、「もちろんよ!」だったり、「(えーそんなー)えっ、あっ、い、いいよ〜(トホホ)」だったり。

 

最初だけの割引価格で、あとは定価だというと、お友達だと思ったのに(怒)!と逆ギレモードに突入したりする人がいませんか?

 

善意が仇になる

 

おそらく、その人はお友達ではありません。きっと、本当のお友達はそんなことをしません。

 

 

「もの」でもこうですから、目に見えない「技能(スキル)」の場合はとても曖昧で、無意識のうちに土足で上がり込むことがあります。

 

例えば、

妻はビーズアクセサリーを得意としますが、販売は実費+α程度と格安です。スワロフスキーを使えば、材料費だけでも値段は上がります。もっとちゃんと値段を付ければいいのにと提案しても、友達にそんなことをするなんて、みたいな感じになってます。女の世界は存じませんが。。。そのスキルは簡単に得られたものではないでしょうに。

 

調理師が作った料理にはお金を払うでしょう? レストランで材料費だけ払えばよいと思う人はいないでしょう? ビーズアクセサリーだとなぜほぼ実費になるのかな? 素人だから? そんなことを経験していませんか?

 

 

噂で聞くのが、「アメリカで弁護士に立ち話で法律に関する質問をしたら請求書が来た」という話。日本人だと「あり得ない!」みたいな逸話として語られそうですが、あちらでは当然の権利を主張したとなるようです。

 

私も気軽に医療に関する相談をされますが、ホイホイ答えますけどね、結構な手間なんです。メールでは答えられない本格的な相談の場合は有料相談でと提案します(本格的になると、1時間を軽く超えるからです)。すると、誰も依頼して来ません。。。 もしかしたら、お金にがめつい奴だと思われているかもしれません。お金を払うほどの相手ではないと思ったか、お金を払うほどの状態ではないなど、色々あるでしょう。

 

歌手の方も「歌ってよ」と言われたり、芸人の方も「なんか一発芸をしてよ」と言われるとトーク番組でおっしゃいます。さんまさんはそれを楽しんでおられるようですが、基本的には嫌みたいです。

 

陶芸家に「お皿を1枚くらい頂戴よ」、絵描きさんに「似顔絵書いてよ」、ピアニストに「一曲弾いてよ」、マッサージ師に「ちょっと揉んでよ」、調理師に「なんか作ってよ」などなど、例をあげれば切りがないほどついつい言ってしまいそうではありませんか。私も言ってますよね、きっと、無意識のうちに。

 

あー、言ったことある! 何度も...

 

このようなことは、多大な労力とお金を注ぎ込んで得られた技能(スキル)をないがしろにする行為になると思うのです。目に見えない対価が必要だと。

 

時間はその人の寿命の一部です。80年の寿命だとして、4年間学んだなら寿命の5%、その道20年だとすれば寿命の25%にもなります。それをないがしろにしているかもしれない。

 

その人の好意や善意でしてくれるのであれば、喜んで受けたいと思いますが、それをこちらから望んではいけないと思うのです。

 

困った時にその道の方へ相談をすることはありますが、話の流れで関わることになった場合、「どこから料金が発生しますか?」と質問をするように心がけています。なるべく。そうした方が依頼者の覚悟も決まるし、相手に対しても誠意があると思うのです。

 

ついやってしまう甘え。

気をつけようっと。