前回の続きのようになっておりますが、少し前のテレビ番組で医者がこのような発言をしていました。

 

「代替療法はエビデンスがないからね。全く勧めません。だってそうでしょ、効果があると証明できるのだったら保険診療が下りない筈はないから。保険診療ができないということは、効果の保証がないからですよ」そう。これ、私も普通の医者時代に使っていたフレーズなんですよ。ご都合主義なんです。はい。

 

一見すると真っ当な意見に聞こえますが、これは医療機関がちゃんと調査をしていないからです。

 

調査もしていないのだから、エヴィデンスは出ようもない。調査をしたとしても、効果がないという前提で行われるのでその通りの結果を出す。それもエヴィデンスとなってしまう。

 

効果があるという論文が出ないから医者は偽医学だという。

 

1つの例を出そう。バイアスピリンという解熱鎮痛剤の副作用として、血小板機能抑制(血液が固まらない)という問題があった。この副作用は動脈硬化が強く血管が狭くなっている人にとっては有効だと考えられ、厚労省からは認可されていないのに医者が独自に脳梗塞後の患者さんへ処方していたという歴史がある。私もそのように使っていた。その後に調査が行われ、化学的に有効な結果が出たために保険適応疾患として認定されたのである。副作用が主作用になった瞬間である。

 

保険適応となったのは、それなりに調査をしたからである。

 

 

まあ、そもそもエヴィデンスというのは狭い了見である。森の視点からすると枝葉である。なのに、なぜ、医療界では絶対的な存在として扱われてしまうのであろうか。逆に言うと、エヴィデンスなき医療行為は悪である、という感覚でさえある。

 

農作物には水が不可欠だという了見があったとして、トマトと茄子では水の必要度が格段に違う。全てに言えることではあるが、農作物に水というような1つの枝葉の事柄に囚われると道を誤りかねないという認識が必要である。

 

農作物は結果を目の当たりに出来るから分かり易いし、失敗してもやり直しはきく。しかし、医療ではそうはいかない。だから指標が欲しい。そしてエヴィデンスを唯一の拠り所とするようになった。それを集めてガイドラインを作り、それに沿って医療行為を行うことが正しくなった。

 

感覚だけで偽医学だと言う前に、世界をちょっとだけでも見て欲しい。

 

分かりやすいから今回も例に出すこの病院。

Royal London Hospital for Integrated Medicine

王立病院で、統合医療を行うのである。

この時点で既にすごいと思う。

日本で国立統合医療病院は存在しないのだから。

 

ホームページの主画面の右側にある項目を見るとこのような項目がある。

→ Acupuncture 鍼治療

→ Autogenic training 自律訓練法(対ストレスの瞑想的な心理療法)

→ Hypnosis 催眠療法

→ Mindfulness マインドフルネス(瞑想的内観の心理療法)

日本の医者は偽医学だ、エヴィデンスがない、とか言うのだろうか。。。

くどいようだが、イギリス王立病院で行われている医療の一部である。

 

このホームページの検索で「Homeopathy」と入力してみると、ホメオパシーに関する記事が表示されます。ついついホメオパシーの話題に流れてしまう今日この頃です照れ

 

Dr.Helmut Ronigerのプロフィール画面を見ると、Specialities専門科がIntegrated medicine統合医療になっています!? 日本にはこの資格が存在しません。バックグラウンドの中には「Homeopathy training in Germany and Britain since 1997」と書いてあります。私はドイツと英国でホメオパシートレーニングを受けましたと自己紹介しています。偽医学を学びましたよと王立病院のプロフィールに書くものでしょうか?


Course informationには学べるコース紹介がありますね。

・Courses in Medical Homeopathy医療ホメオパシーコース

・Introductory courses入門コース

・Advanced training上級コース

 

More advanced training is available

これ、誰のために上級コースが設定されているのか?

 

→ for doctors医師, dentists歯科医師, nurses看護師, pharmacists薬剤師, podiatrists足治療師?目(なんだこれは?), osteopathsオステオパシー治療師 and physiotherapists理学療法士. Please contact the Academic Unit for further information. 

 

ホメオパシーで使われるレメディ。

砂糖玉ということで偽医学のイメージが強いですね。

さて、下に付いている2つの紋章は何でしょう?

 

そう、Royal Warrant ロイヤルワラントです。

英国王室御用達の証です。

衣服のバーバリー、筆記具のパーカーなどにも付いています。

 

 

では、質問です。

 

 

 

偽医学に王室御用達を認定しますか?

イギリス王立病院が偽医学を行いますか?

 

ホメオパシーを偽医学だとおっしゃるなら、日本医師会は英国王室へ確認を取るべきだと思いますけれども、、、どうなんでしょうキョロキョロ 趣味の域を遥かに超えていると思いますけど。。。

 

現代医療の製薬メーカーが代替医療は無効だという論文を頑張って出しているそうですが、人に優しい自然療法が駆逐されないことを願っております。

 

 

*参考情報*

2018年8月頃、交通事故により女王様の主治医であるDr Peter Fisherが亡くなられました。彼はDr.ホメオパスでもありました。本当にただの交通事故なのだろうか・・・

A tribute to Dr.Peter Fisher

16 Aug 2018

A tribute from Dr Gill Gaskin, UCLH medical director, specialist hospitals board, to Dr Peter Fisher.

 

Dr Peter Fisher 

We are all deeply shocked and saddened to learn that Dr Peter Fisher tragically died in a road traffic accident yesterday. Peter was director of research at UCLH’s Royal London Hospital for Integrated Medicine (RLHIM), and physician to Her Majesty The Queen. Peter was a highly regarded colleague and friend of many at the RLHIM, where he worked for more than 35 years. He was an international figure in homeopathy who was committed to holistic and compassionate care for his patients. He will be greatly missed by his colleagues and patients alike. Our deepest sympathies go out to Peter’s family, friends and loved ones at this difficult time.

 

We have been very grateful for your condolences and kind thoughts about Dr Peter Fisher which we will share with his family, friends and colleagues. If you would like to send a card then please address it care of : The General Management Office, The Royal London Hospital for Integrated Medicine, 60 Great Ormond Street, London WC1N 3HR.

In response to requests we have established a charitable fund in memory of Dr Fisher and there are two ways to contribute at present.

 

Donations by cheque should be made payable to “UCLH Charity Dr Peter Fisher Memorial Fund” and sent to the following address, marking the cheque with the reference “Fund 1510”. 

UCLH Charity
5th Floor East
250 Euston Road
London NW1 2PG 

If you are visiting the Royal London Hospital for Integrated Medicine in person our Cashiers’ Office can accept donations by cheque or cash. You will find the Cashiers’ Office on the ground floor, opposite Reception. Again, please quot “Fund Reference 1510”.