治療家の中に「糖分は癌の大好物だから摂ってはいけない」とおっしゃる方が散見されます。巷の情報としても一般的になっているような雰囲気が漂っております。その根拠の一つにしていることが「PET-CTでグルコースに核種を付けたものが集積する」という検査方法にあるようです。

 

ネットから拝借

 

グルコースはブドウ糖という単糖で、血液検査の血糖というとグルコースです。そのグルコースっぽいものに放射能をチョイと出す核種をくっつけて血液中に注射します。ネットで調べても直ぐに分かりますが、「がん細胞は正常細胞より活動が活発なため5倍前後のブドウ糖を取り込む」という性質を利用した検査です。放射能が集まったところを特殊なカメラで撮影すると赤く光るのです。

 

だから糖質制限をする

 

ここが医学生理学的に問題だと思っているのです。「糖質の摂取=がんの餌」という認識ですよね? では、糖質制限をしたら血糖値は下がりますか? 下がりません。体は意地でも下げません。では極限まで下げたらどうなるか? 意識不明になり、死にます。

 

という訳で、糖質を摂ろうと、摂るまいと、がんの餌となる血糖値は正常範囲を維持し続けます。もし外から糖質が来ないとどうなるかというと、自前で何とかするしかありません。糖分の貯蔵がなくなれば脂肪を燃焼剤として燃やし、筋肉などの蛋白質を分解して糖質を作るでしょう。がん細胞は大食いなので、収入(食事量)が減っても大食いは変わりません。家財道具(体そのもの)を質入れして食べ物を買ってもがん細胞は大食いのままですので、どんどんと家(体)は痩せていくでしょう。それでもがん細胞は大食いですので、最終的には宿主を食い尽くします。この状態を「るいそう:痩せ衰えること」と言います。

 

過剰な糖分摂取は控えることは当然です。陰陽の概念からは精製砂糖は極陰で体を冷やします。がん細胞は大食いで暑がりなので勝手にクーラーをかけて体温を下げることができます。だからでしょうか、癌の方に低体温の方が多いのは。。。

 

がん細胞が43度で死滅するから温熱療法という概念もありますが、少し注意が必要です。それはまたの機会にお話ししようと思います。

 

枝葉の情報にはご注意下さい。