ずっとブログにお花を入れていたので、今回も意地で入れてみました。

 

少し前に「細胞の根性を知る」というブログを書きました。

 

解剖生理学的見地から、臨床経験から、この世の身体がこの世にある限り、決して生きることを諦めないのだというお話でした。

 

今回はもう一歩踏み込んだ解剖学的見地から「生きること」を見てみましょう。

 

胃腸の消化管、名の通り「管:くだ」です。口から肛門まで1本の管で繋がっています。ですから体内にございますけれど、実は外なのです。超簡単に表しますと、こんな感じでしょうかキョロキョロ

 

 

外ですから、汚染の極みです。ですから、汚染を防ぐために唾液、胃液、膵液、腸液などがあり、腸内細菌叢の皆さんが健康を害するもの達から私達を守ってくれています。

 

そして、腸の重要な役割として、消化と吸収があります。腸の粘膜は図のようになっております(都立駒込病院スタッフブログさんから引用)。粘膜層に小さな小さな小さな突起が絨毯のように敷き詰められております。

 

 

別のイラストで見てみますと、よくもまあ、こんなに細かいものを作りましたねという感じです(生命科学教育シェアリンググループさんから引用)。これは少しでも栄養素を吸収してやりまっせメラメラという意気込みを感じます。表面積を確保するためですね。小腸の表面積はテニスコート1面分と言われています。テニスコート一面を畳んで畳んで畳んで細い管にして腹の中に収めているんですよ。素晴らしい合格

でね、

 

この絨毛細胞、下から生まれて先端で死ぬんですね(生命誌ジャーナルさんから引用)。ちょっと調べたらこうして情報は簡単に得られますし、解剖生理学の教科書にも当たり前のように書いてあることなんです。一般の方も、医療系の方も、これを見ても だよねー とか へー とか そーなのー とか、そんな感じだと思うんですね。だって、これを「新陳代謝」って言うんだから。当たり前すぎるんですね。

 

当たり前。

 

生きていて当たり前。意識には上らない。息を吸って、おお! 21%の酸素を吸って、赤血球に酸素を乗せて、全身を駆け巡っているぞ〜〜〜!!!!!!!! にはなりません。当たり前って、そういうことです。この世の通信が一斉に切れたら、世の当たり前が総崩れになる諸刃の剣でもありますね。

 

 

たま、 あ、ちがう。 また、当たり前って、知らないことだらけです。チコちゃんの視聴率が高いのも知的好奇心を満たしたいからですね。きっと。とあるTV番組でメロンパンのことをやってましたけれど、昔は高価な輸入品しかなくて庶民には手が出ないマスクメロンに憧れて作ったパンがメロンパンだって。で、メロンが入ってないパンチ!って外国の方が文句を言ってました。見た目重視で作られたパン。話が逸れましたので、戻りましょう。

 

この細胞の循環である新陳代謝を田中佳的に解釈しますね。

 

前置きが長いけど重要ですから。色々な所で細胞の話をしますけれどね、一つの細胞に意思があると言わざるを得ない事実が、貴方の体の中の、血液の中の、白血球という細胞から知ることができるんです。

◆ 細胞の感性参照】〜2013年の記事なんですねえ

 

白血球の寿命は5日前後。生まれた瞬間から役割を知っており、血管の外へ自らムニューっと血管の隙間から出て行って、異物があれば喰らい、菌が来ればワラワラ集まり喰らって除去をし始め、なんと自滅(その成れの果てが膿)。白血球はご存じの如く自走できる。なんで?脳が無いのに。で、異物を判定できる。なんで?脳が無いのに。それぞれの白血球の皆さんが、淡々と自分の役割を果たし、我々を守り続けてくれる免疫細胞の皆さん。

 

白血球という単細胞さんは明確な意志を持って行動している。

 

単細胞の白血球に意思があるとすれば、脳ではなく、その集合体の人体に意思がないと、なぜ言えましょうか。全く同じ遺伝子ですし。ということで、この腸絨毛細胞にも意思があるんじゃあないでしょうか!?

 

絨毛の根元で生まれた細胞はフレッシュであり、徐々にてっぺんへ移動していき、数日で(別の教科書には24時間で)頂天に達し、細胞死すると書いてあります。

 

何が凄いかって、

 

この細胞死はアポトーシスなんですよ!!

 

 

むずかしいはてなマーク

Wikiとかで調べると、積極的な細胞死って書いてある。

 

 

積極的に自死するんですよ!!!!

 

オギャーと生まれて、早ければ1日で「ああ、私の役割はもう終えるから死にますね、さようならドキドキ」と、自らが死を選択しているんですよえーん泣けませんか!? 

 

細胞の中の遺伝子に、それがプログラミングされているということなんですよ。それがひとつひとつの細胞が理解して行動しているんですよ。

 

実は、がん細胞にも同じプログラムがあって、「あ、やべえあせる、私はがんになったらしいから、死にますねあせる」って、アポトーシスするんですね。それでも「がん細胞になっても生きてやるDASH!」と生き残った細胞を、NK細胞(NaturalKillerCell)や、KT細胞(KillerT-Cell)が殲滅していく。だからがんになるのもね、もっの凄いセキュリティを抜けてきているんですよ。

 

他の細胞もそうなんじゃあないでSKY?

 

新陳代謝って細胞自死の賜物なんじゃあないでSKY?

 

皮膚の細胞は約1ヶ月で入れ替わるって聞きますでしょ? 表面に近くなると脱核して角質層を作るんですけど、細胞としては核がないので死んだに等しいわけです。死してなお、我々の体を覆って防御しようとしてくれている笑い泣き泣ける、有り難すぎて笑い泣き泣ける。風呂に入り、体を洗い、流れゆく垢を見つめながら「今まで私の体を守ってくれて、あ、あ、、、ありがとうございます笑い泣き」って感じになりませんかね。

 

我々は、細胞の自死によって生かされていると言っても過言ではないということなのです照れ

 

一つの細胞に想いを馳せ、自身が生きていることを実感してみては如何でございましょうか。

 

 

 

我々の生は

細胞の死により

成立している

 

我々は

死を内包して

生きている

 

死を理解することは

生を理解すること

 

それにより

いっそう、

生が輝くのです

 

生命の神秘ですね。

 

ぬしである身体の状態を最高にするために、淡々と自ら死を選択する細胞たち。これはDNAに組み込まれた予定された行動なのか? 大いなる意思によるものなのか? それに反旗をひるがえした細胞を「がん細胞」と呼ぶのか? いや、反旗をひるがえさざるを得なかった結果の姿なのか? 人類はその答えを得る事はできるのだろうか。。。