わたしの周囲では、辺野古移転には反対するのが当たり前という前提で情報が飛び交っているような状態ですが、本当にそれでいいのだろうか、とわたしは最近疑問に思うのです。

辺野古に基地はいらない、と思う人の気持ちがわからないわけではありません。
米兵の犯罪に苦しめられるのはもううんざりだ、と沖縄の人々が思うのも無理はないし、自国の領土に他国の軍隊の施設があるなんて屈辱だ、という意見ももっともです。
ジュゴンのいる美しい海を守りたいというのも、もちろんそれができればそれに越したことはないと思います。
日本は何もかもアメリカの言いなりで情けない、というのも同感です。

ただ、日本・沖縄・アメリカの関係を見るだけでなく、視野を広げて中国のことも考えなければなりません。

中国が沖縄を自国の領土にしようと本気で狙っていることをみなさんはご存じですか?

うんと簡単にポイントだけをイラスト入りで、「サルでもわかるTPP大筋合意その4国家安全保障」 http://tpp.luna-organic.org/national-security/ に書きましたのでご覧ください。

中国は尖閣のみならず、沖縄までも自国の領土にするつもりです。

そのためには、辺野古問題をこじらせるだけこじらせて、沖縄県民は日本政府に不当に苦しめられている、沖縄県民と日本政府は対立している、という構図をつくりあげるほうがいいわけです。

そして、「琉球独立」に持ち込めれば、あとは「琉球国」を中国の属国にしてしまえばいいわけですから、簡単です。

こうした中国の策略を着実に実行しようとしているのが翁長知事だ、という見方があります。

翁長知事が本気で沖縄県民のためを思っているならば、わざわざ中国に行った際に、なぜ一言も尖閣のことについて文句を言わないのでしょう。

石垣島の漁民は以前は尖閣周辺で漁をしていたのに、最近では中国の船が威嚇して日本の漁船を
まったく近づけないために、漁ができなくなっているのです。

石垣島の漁民の暮らしを守ることも沖縄県知事の務めのはずなのに、まったくそれについては触れようとしない。

一方で、翁長知事は今年9月には国連人権理事会までわざわざ出かけて行って「沖縄県の人々の自己決定権がをないがしろにされている辺野古の状況を世界中から関心を持って見てください」とスピーチしています。

自己決定権=Self Determination という言葉は、国連の場で使うと、通常「民族自決権」と訳され、これは沖縄の人々が日本本土とは別の少数民族であるということを意味することになります。

そうやって日本政府が沖縄人という少数民族を虐げている、という図式を世界に広め、沖縄独立に対する世界の共感を広げよう、という情報戦略なのです。

この動きを事前に察知した沖縄生まれ沖縄育ちの若い女性、我那覇真子(がなはまさこ)さんは、同じ国連人権理事会に乗り込み、反論のスピーチを翌日にしています。


2分の短いスピーチですので、ここに全文を掲載します。

~~2015.9.22 我那覇真子氏スピーチ@国連人権理事会~~~

昨日皆さまは、沖縄は紛れもない日本の一部であるにも関わらず、「沖縄県民は日本政府及び米軍から抑圧される被差別少数民族である」とお聞きになられたと思います。

それは全くの見当違いです。

私は沖縄生まれ沖縄育ちですが、日本の一部として私たちは世界最高水準の人権と質の高い教育、福祉、医療、生活を享受しています。

人権問題全般もそうですが、日本とその地域への安全保障に対する脅威である中国が、選挙で選ばれた公人やその支援者に「自分たちは先住少数民族である」と述べさせ沖縄の独立運動を扇動しているのです。

我々沖縄県民は先住少数民族ではありません。どうかプロパガンダを信じないでください。

石垣市議会議員の砥板芳行氏からのメッセージです。

「沖縄県民の現知事は無責任にも日本とアジア太平洋地域の安全保障におけるアメリカ軍基地の役割を無視しています。翁長知事はこの状況を捻じ曲げて伝えています。

中国が東シナ海と南シナ海でみせている深刻な挑戦行為を自治と国連の皆さまが認識することが重要です」

ありがとうございます。
~~~~~~~~~~スピーチここまで~~~~~~~~~~

昨日わたしは我那覇真子さんの話を1時間ほど聞く機会があったのですが、きわめて明快に辺野古反対運動の矛盾や問題点を解説してくださいました。

辺野古反対の方々はもちろん正義感に基づいて行動しておられる方が大部分だということはわかっています。

ただ、中国の悪だくみに気づかないでいると、無意識のうちにそちらの勢力に利用されてしまうことになるのです。

警視庁に機動隊の派遣を要請している沖縄の公安委員は翁長知事の側近だそうですが、それも中国の意向を受けた翁長氏の策略なのでは、と疑ってしまいます。

機動隊に派手に県民(や県外から来た活動家たち)を弾圧してもらい、それがいかにひどいか、ということを国内外にアピールして、同情を誘う、という計画なのでは?

そんなことを疑ってしまうのも、昨日我那覇さんが見せてくれた活動家の映像のことが頭にあるからです。

辺野古基地反対運動で有名な活動家である山城博治氏が今年2月騒ぎを起こして逮捕された(1日だけで釈放)という事件がありました。

そのとき、山城氏は辺野古の米軍基地、キャンプシュワブ前の「立ち入り禁止を示す黄色いラインを越えていない」にもかかわらず「逮捕されたのは不当である」と主張していました。

が、その様子を撮影したビデオがYouTubeに流出したのを見ると、黄色い線を堂々と踏み越えて、わざわざ警察?(機動隊?)を挑発するように手招きする様子が映っているのです。

そうやって逮捕されるような状態をわざわざ自分から作り出し、いざ逮捕されると被害者を装い、「不当逮捕だ!」「弾圧だ!」と騒ぎ立てて、国を糾弾する。

それが彼らの常套手段のようです。

実際にその様子を撮影した動画はこちらでご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=WjJaw1SACnw&oref=https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3DWjJaw1SACnw&has_verified=1

沖縄の人々も、決してみんなが辺野古基地反対なわけではありません。

中国の脅威から日本を守るためには、中国にもっとも近い沖縄にこそ、米軍基地が必要であり、世界一危険といわれる普天間基地の問題を解決するためには、辺野古に移設するほうがいい、それによって同時に米軍基地が整理縮小されることにもなり、そのほうが好ましい、と思っている人たちも大勢いるのです。

みなさんにも、複合的な視点から、この問題をとらえ直し、考えていただければと思います。