初めて工場でアルバイトをした、猪又義雄です。


最近、派遣アルバイトに登録したので、その派遣アルバイトの仕事の一つに工場のアルバイトがあったので、そこで働くことになった。
僕は今までほとんど飲食店でしか働いたことがなく、工場での仕事はとても新鮮なものだった。


まず、広い。大手のパンメーカーの工場だったのだが、やはり大手なので、中が広い。
小学校の時の社会科見学を思い出し、非常にテンションが上がった。
映画「川の底からこんにちは」のパッケージにあるような制服に着替え、工場の人になった。
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洒落っ気もあったもんじゃないが、工場内はもちろんみんなこんな格好をしてた。

そして、人がいっぱいいた!一つのフロアに20人くらいいて、それがなんフロアもあって、なんだか賑やかな様子に、心が少し踊った。

僕は検品作業を最初にやった。
冷凍されたパンの生地に、汚れがついていないか、形は悪くないかを確認するという作業。
僕が作業場に着くと、既にもう一人おじさんが作業をしていた。どうやら二人でやる作業らしい。

ベルトコンベアから、大量のパンの生地がバタバタと流れてくる。それを急いで検品する。

右を見ると、おじさんめっちゃ早い。

ベルトコンベアから流れてくる生地を7:3でおじさんが検品している。僕はじっくり見ていて、3見るだけでも精一杯。

右を見ると、おじさん相変わらず早い。


むむむ、、ちょっと悔しい。


段々仕事に慣れてくる。

やっとこさ、6:4くらいまでに持ち込む。

しかし、おじさん早い。

ぴょいぴょいって生地を検品している。よく見ると、僕は両手をいっぱいに鷲掴みしながら検品しているが、おじさんは人差し指と親指だけで、ひょいって見ている。その分、切り返しが早く、作業進行速度が早いのだろう。

僕はその技を盗んだ。

おらっ!人差し指と親指だけで、高速に指を動かす。

ハイハイッ!はい~ッ!

5:5に持ち込む。いいぞ、俺。後は気合いの問題。ベルトコンベアから流れてくるので、腕を相手のゾーンに侵入させればいけるやつ。(今まで大分侵入されていた、いや、助けられていた)

思えば作業が始まっていてから30分ほど。
僕はこの30分の間で、自分の成長をひしひしと感じていた。
できる、俺ならできる。絶対できる!!

ベルトコンベアから、大量に生地が落ちてくる。
まずは、自分のゾーンから。自分のゾーンの生地を鮮やかに検品。

相手も自分のゾーンを検品中。しかし、俺の方が早い。よし、いける、そこだ、いけ、よし、いけ!




「あっ、、」


手と手がぶつかる。


「すいません。」



ガコンガコンガコン、ベルトコンベアは動いている。
しかし、僕の勢いは止まった。なにを血迷っていたのだと気がついたからだ。

次第に、僕は冷静さを取り戻し、普通に作業をし始める。おじさんと世間話をしながら。愛嬌のよい、親切なおじさんだった。お昼休みも二人で仲良く食べた。午後の作業も一緒に行った。お互いの人生について語った。僕は演劇の話を。あっちはギャンブルが好きらしく、競馬や麻雀の話を。

他にも、定年退職して働き始めた気の良いおじいさん。JKから成り上がりの社員さん。色んな方と世間話をした一日だった。
また、働きに来てよと言われて、なんだか少しいい気分。

まだ陽のある頃に上がり、心地のいい風を浴びながら、ライン作業は飽きるけど工場も悪くないなぁと思った今日この頃。


んー、帰った後のビールが美味い!

おわり



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