こんばんは!
いま、イングランドの丘の鳥たち
は換羽の真っ最中!ぴよぴよ。
ベンガルワシミミズクのライカも
ハリスホークのアリスも
他にも展示場の床にいつもより
たくさんの羽毛が落ちてる鳥たち
がいるはずです。
換羽というのは、哺乳類でいうと
ころの換毛にあたります。
哺乳類の換毛はだいたい年に二回、
夏毛と冬毛が生え変わって体温調整
をするのが主な目的ですが、鳥たち
は少し事情が違います。なんと言っ
ても鳥にとって羽毛は体温調整をす
る役割を果たすだけでなく、空を飛ぶ
ための大事な機関でもあります。
普段の生活で傷ついたり、失われた
羽毛をリニューアルするための大事な
時期なんです。
鳥の換羽は年に1回、だいたいほとんど
の種で繁殖期の後に始まるのですが、
飛ぶための風切羽や保温のための綿羽
も含め、ほぼ全身の羽毛が生え変わり
ます。じゃあ今見に行くと鳥たちは
丸裸なの?いやん。
と思うでしょ?でも、一気に羽毛が
抜けてしまうと、飛んで餌を探しに
行くことも体温調整もできず、鳥たち
は死んでしまいます。
実際には少しずつ順番に生え変わって
いくのでパッと見ではほとんどわかり
にくいものなんですよ。
年に一度の地味な作業ですが、鳥たち
にとっては見た目以上にたくさんエネ
ルギーを消費する一大イベントのよう
です。
アリスもこの時期は毎年、屋外での
フリーフライトを休止しています。
その理由は二つあります。
まず一つは、新しい羽毛を守るため。
生えはじめの新しい羽毛はまだ軸が
柔らかくて痛めやすいんです。最悪の
場合、根元から折れて出血することも
あります。これは大変!
もう一つの理由としては、普段から
トレーニングしている鳥でもコント
ロールがしにくい時期でもあるん
です。換羽にエネルギーをもって
かれるので、鳥自身が無駄なエネ
ルギーの消費を抑えようとします。
なので普段しっかり合図に合わせ
て飛んでくれる鳥でも別人のよう
にシカトしてきます。悲しい~。
アリスが初めて換羽を迎えたとき
はそんな事を知らなかったので、
なかなか木から降りてきてくれな
くて大変な目に合ったものです。
というわけで、あと一ヶ月くらい
はアリスの屋外でのフリーフライト
はお休みさせていただきますね。
換羽が終わって一段と美しくなった
アリスの姿に乞うご期待!