新作執筆でまたホテルにこもっている。執筆中に聞くCDを買うため神保町の古本屋を回っていて万年筆屋さんの前を通って思い出した。昨年「100の資格」で娘役を演じている雪ちゃんが大学に合格したので万年筆を贈る約束をしていたのを思い出したのだ。フランス製の書きやすそうな万年筆にキティちゃんが付いている。これに決めた。と店内に「雪やこんこん」のチラシを発見し、店主に「どうしてこのチラシが?」と尋ねると「生前井上ひさし先生が、新作を書く度に新しい万年筆を買っていった」というお店だったのだ。「それはどの万年筆ですか?」と尋ねてみた。私もあやかりたいと思ったのだ。しかし、その値段を見て断念し、ドイツの子供たちがペン習字のために使っているという3千円の書きやすい万年筆を自分用に買った。

上野の東京文化会館小ホールでの中川晃教さんのコンサートに出かけた。新作を書かなくてはならないのに毎日芝居やコンサートに出かけている。しかし、面白い舞台を観ると刺激になり、執筆する気力も湧いてくる。執筆には色々な面で力が必要なのである。

素晴らしいステージだった。自作の歌も勿論良かったが、震災後に日本語を付けたというアメージンググレイスやベートーベンの運命に日本語の歌詞を付け、チェロと歌ったのも迫力があった。そしてアカペラで歌い上げたホイットニーの「ボディガード」の挿入歌も凄かった。

中川さんのファンの方たちが「ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。」と昨年の「ゲゲゲのげ」のお礼を言って下さった。礼儀正しい親戚の方たちのようなファンの方たちである。

新作を書き上げた後、私も自分のコンサートの準備に入る。コツコツと丁寧に頑張ろうと思う。