逢いたくて逢いたくて(70)ーDー~リヨン篇~ | えりんぎのブログ






「お待たせー!ごめんね!」って、小走りにやってきたリヨン。


背中まであるストレートの黒髪が風になびいて…やっぱ、美人だよな、って思う。


バイト先でも狙ってる奴、結構いるのにさ、絶対隙を見せない…そこがまた魅力なんだけどな、って、ふっと見ればチャンミンとそれは楽しそうに話してて。


……いかにも人見知りしそうなチャンミンがすぐに懐いて、よっぽど気が合うのか…一週間をあけずに昼飯を一緒するようになったけど。


絶対2人では会おうとしない、…まぁ、チャンミンはさ、一応ユノに気を遣ってんだよな。


まぁ、…そういうわけで常に俺も混ぜて会ってて、俺からしたら退屈極まりない光学式がどうとか…聞かされてる。


いちばん近くの学食で同じ定食を頼んで向かいにリヨン、隣にチャンミンが座る。


「お腹空きました~!」って、スッと3人分の割り箸を取って、ひとつをリヨンに渡すチャンミン。


俺にはパチンとキレイに割った箸を渡してくるから、
「…/////やっ、…チャンミン。…そこまでしてくれなくていいよ。」って、何だか照れちゃって頭を掻く。


「…あ…//////ごめんなさい!!…つい、
ユノとの癖が出ちゃって……。」


─────あーーそう。…そういう事ね。勝手に照れちゃってゴメンね。


向かいではリヨンが不思議そうに
「……ユノ、って、あのドンへの友達の?…チャンミンくんも仲良いの?」って聞いてくるから、
「や……!!…それほどは…まぁ、…どうだろ?」って、訳分かんない事になってるし。



「……………ドンへ?」


遠くから聞き覚えのある声。

あちゃー!……噂の本人についに見つかっちゃったよ……


すげー大股で歩いてくるし……
不機嫌さを隠そうともしてねーし……


隣ではチャンミンが嬉しそうに、……ユノ。ってなまえを口走ってるけど。


……どうみてもユノが怒ってるのに、…この子、やっぱちょっと鈍いよなぁ、…前にユノもチャンミンの鈍感さを嘆いてたっけ…って現実逃避してみるけど。


「…おい!……さっさといなくなったと思ったら何してんの?…チャンミナ連れ込んで!」

って、…ユノ、……言葉おかしいし。


「…ユノ!……こちらリヨンさん。僕の先生みたいな人。」
って、鈍感チャンミンがにこやかにリヨンを紹介してる。


「……あ?……えー…っと、どうも…」


たった今、リヨンの存在に気づいたらしいユノがペコッと頭を下げる。


───────リヨン?


そこには両手で口を押さえ真っ赤に固まってるリヨンがいた。