逢いたくて逢いたくて(132)ーYー ~カイさん篇~ | えりんぎのブログ




~ユノside~




「……チャンミナ、…チャンミナ?」



────いくら呼んでもピクリとも動かない、その華奢な肩を。


人差し指と中指でスーッとなぞって、その跡に唇を這わせたり。


少しベトついた肌。


昨夜はドロドロに蕩けたまま寝てしまったから。


───ずっとチャンミナ不足で、…いいところを、いつもカイ兄にさらわれて、……おまえも、そうだった?……チャンミナ?



だって、欲しかった───とか。

ユノの、味でしょ───とか。

───どの口がそれ言った?/////


思いだすだけでにやける口許を隠すこともしないで、背中からギュウッと抱きしめて、甘い甘いチャンミナの匂いに酔いしれた。


くるんと上を向いた長い睫毛がふるふると揺れて、その目蓋にそっと唇をおとしたら。


「……ん、…?……ユ、ノ…?」


眩しそうに目を細めて、起きた、…っつか起こしちゃったけど、…せっかくだから、って朝一番のキス───。


昨夜の熱がまだくすぶっていて、ついつい深くなるのを、そっと片手で遮られた。


「…もう、…唇が荒れそ。」


素っ気なく言ってもさ、…トロトロの瞳も、綻んだ口許も、…ただただ甘いだけ。


「…なぁ、バイト、…夕方からだろ?…もう一回、いい?」


その無謀なお願いはあえなく、──ふざけるな!///の一言で却下されたけどな。


「…ユノ?…今日はバイトの後、自分ちに帰ってくださいよ!」


「カイさんにも、ほどほどに、…って言われたんですからね。」


「…ってか、光熱費が動かないくらい自分ちに帰ってない、ってどうなんです?…自重してくださいよ、…まったく。」


あれ?───どんどん冷静になっていくチャンミナ。


挙げ句の果てには、サッサとひとりでシャワーに行っちゃって。


チェッ、…って、頬杖ついて面白くなさそうにソファーで俯せに寝転ぶ俺の横で、何気に腰を庇いながらもテキパキとシーツを替えながら。


「…僕、…そういえば怒ってるんです!」

って。

何のことかと思えば、今更、ステージの途中で無理やり引っ張ってきたことや、パーティーでの音声入れっぱなしの失敗のこと。


「…んなのさぁ、…もうみんな覚えてねぇよ。」


軽く言うけど、…ジトッと睨まれて。


「…だって、しょうがねぇだろ?あの時は一分一秒でもカイ兄の隣にいさせたくなかったし。」


「自信はあったけど、ちゃんと目に見える模試の結果を突きつけて、絶対取り返す、…って決めてた。」



ふと気づいたら、…寝転ぶ俺の脇に突っ立ったチャンミナ。


ふわっと、…俺の背中にかぶさって。


「…僕は、会えない時間に、…あなたの存在の大きさを知りました。」


──それだけ言って、ぶわっと、…真っ赤になった。


俺は、というと…さっきまでブチブチと文句ばっか言ってたコイツの突然の告白に、…驚きと、恥ずかしさで、…やっぱ顔から火が出る勢いで赤くなっちゃったんだけど。


お互い性格がまるで違うから、表現の仕方もまるで違って。


───それでもコイツなりの愛情の示し方が、最近少しずつ分かってきた。


「……チャンミナ。…来いよ?」


クルッと身体を仰向けにして、腕を広げた。


戸惑いながらもおずおずと俺の肩に手をかけて。


その後頭部を引き寄せて唇を重ねれば、ただ愛おしい想いだけが溢れ出る。



────チャンミナ。…もっと、…もっと、側にいて?



思わず漏れた俺の本心。


───ちゃんと、伝わった?



そのまま何やらゴソゴソとクリアファイルから出してきて。


「……この間のレポート。」


見れば、真っ赤なペンで特Aの文字。


「すげぇじゃん。…頑張ったな。」


嬉しそうに、ふにゃ、っと笑って。


「…ん。カイさんに、…僕も証明しましたよ、って見せなきゃ。」


ポツリと呟いた。


「…は?…なに?…カイ兄とか。」

何のこと言ってんのか分かんないけど、…とりあえずこの場面でカイ兄のなまえ出すのはNGだろ?


「えっ?///だから、…あの、本気の恋が…、って、…ぅわ//////」


悪いけど、最後まで聞く耳持てなくて、…強引に引っ張って押し倒した。



───信じてるけど、…俺のこの嫉妬心は、もはや…病気だな?


ごめん───残念な俺で。


それでも、俺を見上げるおまえの瞳が甘く染まるから……もう少し、このままで…、あと少しだけ、このままでいて?






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いつもあたたかいコメント、ありがとうございます(^-^)

カイさん篇・・・終了です!

将来とか、ちょっと重いテーマになってしまったかな?^^;

逢いたくて~、の2人はこれからも続きます♡♡

このユノが好きだから(//∇//)

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・・・ということで、次からは・・そんなお話です。←わんこさんに叱られちゃうかな?^^;