AI wo Motto(2) | えりんぎのブログ






~ドンヘside~









「…ぉい、…おい、ユノ!!」



背の高いスツールに腰掛けて、ぼーっ、と頬杖ついたイケメン。


「…オーナー!!」


「…って、わっ!!」


何度もの呼びかけに今さら気づいたのか、びっくりした拍子に顎ががくん、とおちて、恥ずかしそうに周りを見まわすやつ。


「…っんだよ!…オーナーって呼ぶな、って言ったろ?」


「まぁまぁ、…ボーッとしてるおまえが悪い。」


チッ、と軽く舌打ちして砂糖たっぷりのカフェオレを飲み干した。


「おまえさぁ、週末だけど、今夜はこの店に入るの?」


聞いたら、ちょっと考えて、


「ん~…?いや、アッチに行くわ。」


「こっちは頼むな、店長!」


ニッ、とおどけて笑う。






このカフェと若者をターゲットにしたクラブの2店舗を所有するユノ。


金持ちの三男坊で、これらの店以外にもマンションやら、ビルやらを生前贈与という形で与えられ、羨ましい限りだ。


「べっつに。ただのやっかい払いだよ。金はやるから、会社や家のことには一切口出すな、ってこと。」


おかわり頂戴、ってカップを差し出してくる。


こいつは学生時代からのツレを店長にそえて、自分はオーナーってこと隠して、ただのフリーター顔。


なんでも、その方が従業員とのコミュニケーションも取りやすいし、良くも悪くも店の色々な部分がみえるらしい。


元来の人懐っこさで隠されてるけど、仕事に関しては結構厳しくシビアなこいつ。


女なら誰でもうっとりしちゃうような笑顔のしたで、冷静な目をいつもひからせてる。




────────「あっ…。」


ふっ、と声の方に顔を向ければ。


「あれ?…チャンミン!久しぶりじゃん!」


モデルのようなスタイル抜群のちょっと派手な女の子を連れて。


まぁ、チャンミン自体もモデルばりだから、端から見れば超目立つカップルだ。


「…うん。久しぶりにドンへさんの珈琲飲みたくなってさ。」

なんて、かわいいこと言ってくるチャンミンは結構俺に懐いてくれてて。


────あれ?

どうやってチャンミンと知り合ったんだっけ?


そうそう。


一年前、───ユノが、拾ってきたんだった。


当のユノはカウンターにだらしなく座ってるけど、お互い目も合わさないまま。


チャンミンがチラッと目線をおろして。


「───ユノ。いたの?」


すっげ、冷めた言い方。


ユノもユノで、────ああ、…とか言いつつ、チャンミンの連れの女の子をジッと見ちゃってさ。


「……キレイな子、連れてんね。」


その子に、にっこり…と。


───また、出た!!


こいつ、すぐ人の彼女に手出すんだよな?


しかも、チャンミンの彼女を片っ端から奪ってるから手に負えない。


あーあ、今回は修羅場になんなきゃいいけど。


俺の心配をよそに、ユノを睨むチャンミンと、女の子に甘~い視線を向けるユノと、───頬を赤らめ目線を泳がせる女の子。





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momokoさん♪
さっそくです( ´艸`)