~ドンヘside~
「…ぉい、…おい、ユノ!!」
背の高いスツールに腰掛けて、ぼーっ、と頬杖ついたイケメン。
「…オーナー!!」
「…って、わっ!!」
何度もの呼びかけに今さら気づいたのか、びっくりした拍子に顎ががくん、とおちて、恥ずかしそうに周りを見まわすやつ。
「…っんだよ!…オーナーって呼ぶな、って言ったろ?」
「まぁまぁ、…ボーッとしてるおまえが悪い。」
チッ、と軽く舌打ちして砂糖たっぷりのカフェオレを飲み干した。
「おまえさぁ、週末だけど、今夜はこの店に入るの?」
聞いたら、ちょっと考えて、
「ん~…?いや、アッチに行くわ。」
「こっちは頼むな、店長!」
ニッ、とおどけて笑う。
このカフェと若者をターゲットにしたクラブの2店舗を所有するユノ。
金持ちの三男坊で、これらの店以外にもマンションやら、ビルやらを生前贈与という形で与えられ、羨ましい限りだ。
「べっつに。ただのやっかい払いだよ。金はやるから、会社や家のことには一切口出すな、ってこと。」
おかわり頂戴、ってカップを差し出してくる。
こいつは学生時代からのツレを店長にそえて、自分はオーナーってこと隠して、ただのフリーター顔。
なんでも、その方が従業員とのコミュニケーションも取りやすいし、良くも悪くも店の色々な部分がみえるらしい。
元来の人懐っこさで隠されてるけど、仕事に関しては結構厳しくシビアなこいつ。
女なら誰でもうっとりしちゃうような笑顔のしたで、冷静な目をいつもひからせてる。
────────「あっ…。」
ふっ、と声の方に顔を向ければ。
「あれ?…チャンミン!久しぶりじゃん!」
モデルのようなスタイル抜群のちょっと派手な女の子を連れて。
まぁ、チャンミン自体もモデルばりだから、端から見れば超目立つカップルだ。
「…うん。久しぶりにドンへさんの珈琲飲みたくなってさ。」
なんて、かわいいこと言ってくるチャンミンは結構俺に懐いてくれてて。
────あれ?
どうやってチャンミンと知り合ったんだっけ?
そうそう。
一年前、───ユノが、拾ってきたんだった。
当のユノはカウンターにだらしなく座ってるけど、お互い目も合わさないまま。
チャンミンがチラッと目線をおろして。
「───ユノ。いたの?」
すっげ、冷めた言い方。
ユノもユノで、────ああ、…とか言いつつ、チャンミンの連れの女の子をジッと見ちゃってさ。
「……キレイな子、連れてんね。」
その子に、にっこり…と。
───また、出た!!
こいつ、すぐ人の彼女に手出すんだよな?
しかも、チャンミンの彼女を片っ端から奪ってるから手に負えない。
あーあ、今回は修羅場になんなきゃいいけど。
俺の心配をよそに、ユノを睨むチャンミンと、女の子に甘~い視線を向けるユノと、───頬を赤らめ目線を泳がせる女の子。
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momokoさん♪
さっそくです( ´艸`)