~チャンミンside~
「なんだよ?・・・ユノ?」
ぷにっ、とその頬をつまむ。
目をまん丸くしたユノ。
「え、・・と。・・そっちこそ、なに?気味わりーんだけど?///」
せっかく人が勇気を振り絞って言ったのに。
「・・イタリア行きの事、聞いた?、だよな?明日、送別会してくれる、って言ってたし。」
「もしかして最後に俺を喜ばせてやろう、って魂胆?」
僕の言葉が信用出来ないのは分かるけどさ、
明らかに腰がひけてる。
ユノらしくない。
「そのイタリア行きって、───僕も強制参加なんだろ?」
ポツリ、言ったら。
ふふ、・・面白い。
初めて見た、───ボッ、と真っ赤になったユノ。
「は?、えっ?///どうして、それを?///」
焦りまくってるユノに、どうしようもなく愛おしさが込みあげる。
───好きで、好きで、・・好きで。
ユノへと続く道しか、もう僕には見えないほど。
「・・さあ?」
素直じゃない僕はそれでもとぼけちゃうんだけど。
「っだよ!!・・誰に聞いた?おいっ。///」
パラッと捲れた肩先を揺さぶるから、毛布が落ちて寒いじゃないか。
毛布の端っこを掴んで、ユノごと体当たりのように転がった。
毛布の中は真っ暗で、僕の肩に顔を埋めるような体勢になったユノが、動揺したままアワアワしてるのがおかしい。
「チャンミンッ、・・わ、・・なんだよ?ちょ、・・離せ、って。」
「─────やだ。もう離さない。」
「え?」
頭から2人分すっぽり毛布を被ってるのに、伸ばした足先だけが空気に触れてちょっと間抜けな光景。
指でユノをなぞる、───頬に、顎に、・・通った鼻筋、そして唇。
チュ、・・濡れた感触。
「・・・チャンミン?」
暗闇の近すぎる距離に紛れて言っちゃえ。
「ユノ、・・面倒くさい僕で、ごめん。・・まだ、僕の全部が欲しい?」
戸惑ってるのか、黙ったままのユノ。
「────今さら?でも、僕は欲しいんだ。ユノの全部。ねぇ、・・くれる?、って、ぅわ、・・っ!!」
最後まで聞けよ、────って、文句も言えない。
いきなり押しつけられた唇。
ただでさえ酸欠気味の毛布内でさらに呼吸困難。
「ん、っ・・!!!、・・くるし、・・っ!!」
パッと離されて、
ね、どんな顔してる?・・見たい、
毛布を避けようと両手をあげたら、体勢を変えながらガシッと掴まれ、
僕の上に乗り上げるように片肘をついて、もう片方の手は僕の両手を拘束したまま動きそうにない。
「な、・・もっかい?」
「は?///」
「────もう1回、言って?」
「い、っ、嫌だっ/////。」
ゴソッ、毛布の擦れた音。
微かに感じる柔らかい感触。
「ちっ、・・まさかドッキリとかじゃないだろーな?」
目測を誤ったのか、僕の唇から2㎝ほど外れてユノのが触れた。
「ばっ、ばかじゃね?///」
なんだよ、もう。
素直にユノだけだよ、って伝えたくて来たはずなのに、これじゃあ今までと変わらないじゃないか。
焦らすように、誘うように、・・僕の口元を弄るユノのそれ。
熱い息づかいが、───ユノ、どんどんお互い昂ぶってきてんの、・・分かってる?