AI wo Motto Ⅱ(41) | えりんぎのブログ









~チャンミンside~




















────はぁ、・・ユノ?両手を外して?





久しぶりのユノをこの手で感じたいのに、僕の両手は頭上で拘束されたまま。




「まだ駄目。」


軽く断られて。


「・・・イリヤ兄さんは、・・いいの?」


ちょっと拗ねたような掠れた声。


「だからっ、・・イリヤ兄さんとはそんなんじゃない。・・それに、ユノが、・・恋人って気づいてたし。///」



「マジで?///」


嬉しそーな声。

この暗闇の中では声だけが頼りだから、分かりやすいくらいのユノの声色に思わず頬が緩む。



「ホームセンターで、すっげ睨んだの気づいたか?」


──あと僕の寝言ね。




「なぁ、いいかげん教えろよ?・・どうして急に気が変わった?」


───あ、チャンミン、・・舌だせよ?


とか、・・ついでのように言う。



真剣に話したいんだろうけど、身体だけどうにも暴走中。


お互い両手が自由にならないからって、ぐいぐい腰を押しつけるのやめろよ!



睨んでも暗闇ではまったく効果はないし。


蹴飛ばしてやろうと片足をあげたら、そのままユノの足に挟まれた。


「舌っ、!!」


責めるように言われて、思わず出した舌を、──チュポ、と吸われたり、・・。


それが絡まりはじめたら、───もう話なんか出来ないのに。



「ユ、ユノ、・・!!」


「スるか、・・話すか、どっちかにしろっ!」



僕が本気で身体を捩ったのに気づいて、



「──────話す。」



ポツリと言ってすべての拘束を解いた。



「ぷはっ、・・暑い~~っ、!!」


毛布から出た僕達は全力疾走したように汗だくで、



────ぷっ、



お互いの顔を見て、思わず吹きだした。




「さっきまで凍えてたヤツとは思えないな?」

「ユノだって前髪がおでこに貼っついて格好悪りぃ。」



って事で、せっかくためた風呂に当初とは違う目的で入ることになった。




中途半端に昂ぶった身体が何だか気まずくて、・・それに久しぶりのユノの裸。



─────ちょっと、痩せた?


聞いたら、・・おまえもな?って返された。







風呂上がり、Tシャツとスウェット姿でかしこまったようにソファーに座る男2人。



「え、~と。」

改めてどーぞ、と言われても話しにくいな。


「・・僕の部屋着、もう捨てたかと思った。」


まぁ、ユノだから、引っ越しでもしないかぎりタンスの整理なんてしそうもないけど。


────で、無言。



「前に来たときより部屋もきれいだし。・・掃除してくれる人、いるの?」



────まだ、無言。



「なに?ユノ。無視すんなよ?冷静になって、やっぱ僕とは喋んのも嫌だとか?」



────それでも、無言。





はぁぁ、・・・、わざとらしくため息吐いて、


「ビール飲も。」


捨ててなければ僕が買いだめしてた1ヶ月前のビールがあるはず。


スッと立ちあがってキッチンへ向かう僕を、後ろ手にいきなり掴んできて。



「ちゃんと話すまで、ビールはおあずけ。」って。


ちょっと飲まないと話しにくいんだけどな?


────駄目?


少しだけ甘えた仕草で言ってみてもやっぱり無視するから、だったら僕も無視しよ、って強引にキッチンへ行こうとする身体ごとソファーへ引き戻されて、



「っ、痛っ──!!」




もしかして、むちゃくちゃ怒ってる?




もう一緒にはいられない、って言ってみたり
他の男の部屋に転がり込んだり。



それで急に離れたくない、とか、ユノの全部が欲しいとか、


───なんだ?スゲー勝手じゃん、僕。