エスプレッソマシンレビュー第8回[Francis!Francis! X1]
Francis!Francis!の家庭用エスプレッソマシン、X1を試す。
このブランドは一流豆ブランドilly社の長男であるFrancisco illyがオーナーを務めている。
重量は8.6kg。
ボディはウォータータンクとドリップトレーを除いて全て金属製。
内部メカニズム。ボイラーは真鍮製で比較的大きい。奥にポンプが見えるが、これはULKAのEP5だった。
ポルタフィルターはまずまずの重厚感。フィルターバスケットはC型スプリングでポルタフィルターに固定されるタイプ。
重量はシングルフィルターバスケット装着時で302g。
左がPOD用ポルタフィルター。
このためフォームたっぷりのフォームドミルクを簡単に作ることができる。
スチームワンドは1穴。先端はねじ込みで取り付けているので、外して洗うのは少々面倒。
5℃→65℃試験は1分12秒だった。
また、スチーミング前に150ccだった水の量はスチーミング後に180ccになっていた。
空気取り込み穴から好むと好まざるとに関わらず空気が取り込まれるため、このようにモコモコのフォームドミルクになる(なってしまう)。フリーポアラテアートをしたい場合、出来上がったものからフォームを減らして撹拌を行って調整する必要があるだろう。
フリーポアラテアートが好きな私には空気取り込み穴が邪魔なのでねじ込み式の先端ノズルを外してみると、BAR14のように3mm程度の大きな径の穴になるため、スチーミングは非常に難しかった。さらにミルクが飛び散るようになるので、この方法は全く現実的ではない。
どうしても空気取り込み穴が気になる場合は何らかの方法で穴を塞ぐのが良いと思う。
ジャストサイズは恐らくデロンギと同じ52mmと思われる(タンパー購入の際には必ずご自身による計測を)。
それでは抽出に移る。
トグルスイッチが左から主電源、抽出開始、スチーム切り替え。
赤ランプは上が主電源ランプ、下は湯温が適温になった際に消えるインジケーターとなっている。
真ん中のメーターは湯温である。
まず主電源のトグルスイッチをONにすると上下の赤ランプが点灯する。抽出に適した湯温になると下の適温表示ランプが消灯するので、抽出開始のトグルスイッチをONにすると抽出が始まる。適切な量が抽出されたら同じトグルスイッチをOFFにすると抽出が止まるようになっている。
テスト時はメインスイッチON→抽出OKまでが1分39秒、スチーム切り替え→スチームOKまでが15秒だった。
豆は開封後1週間冷蔵庫保管していたillyホールビーンズのダークロースト。グラインダーはベゼラ・BB004を使用。
適合するタンパーが無く、しっかりしたタンピングになっていないので本調子ではないと思いますが。
抽出時の作動音は60dB程度と、静音性にはかなり優れていた。
次にPODでのショット。今回はKALDIのオリジナルブレンドを使用。
<総評>
悪いマシンではないが、ランチリオ・シルビア並みの10万円前後という実売価格を考えると抽出のパワーやスチームの性能にやや不足を感じる。この価格で3方向バルブが無いというのも厳しい。
フリーポアラテアートに情熱を注ぐマニアにとっては、スチームワンドの空気取り込み穴も邪魔な機能でしかない。
そういったマニアでなく、たまにはポッドで気軽にエスプレッソを楽しみたい。あるいはカプチーノはモコモコの泡に限るという方にはオススメできる。
何よりこのイタリアンテイスト全開のデザインこそがこのマシンの魅力だろう。
<Francis!Francis! X1>スペック (管理人調べ)
●メーカー : Francis!Francis!
●品番 : X1
●分類 : セミオートマチック
●260×240×320mm
●コード長 : 1.2m
●重量 : 8.6kg(本体のみ)
●消費電力 :1000W
●ポンプ圧:15気圧
●パウダー使用 : 可
●POD使用 : 可
●水位計 : 有(透明な水タンク)
●着脱式ウォータータンク : 有 (容量1.5L)
●着脱式ドリップトレー : 有 {容量200cc(実測)}
●カップウォーマー : 有(受動的)
●3方向バルブ : 無
●熱交換器 : 無
●デュアルボイラー : 無
●給湯機能 : 無
●C型スプリングによるフィルターバスケットの固定 : 有
- ↓今回用いたのはillyのホールビーンズ・ダークロースト。
- 苦みを利かせているので、ミルクを使うレシピでもコーヒー感が損なわれにくく相性が良い。
- 夏のアイス・カフェラテにもオススメ。
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