舌が肥えた?味が落ちた? | エキスパートアイズのブログ

舌が肥えた?味が落ちた?

先日、久しぶりにヴィドフランスでパンを買いました。
いろんな駅にあり、味も悪くなかったので、以前は時々利用していました。
しかし、最近は「人気」と評判のパン屋に、わざわざ車で行ったり、大行列を並んだりして、パンごときにかなりエネルギーを注いでいた。
そのせいか、久しぶりに買ったヴィドフランスのパン、ぜんぜん美味しくなかった…。
バゲットがなくて代わりに買ったバタールなんて、あまりの不味さに驚愕してしまったほど。スーパーで売ってるヤマザキのバタールよりも不味かった!
何なの?私、昔はこんな不味いパンを食べていたのか?

確かにそうかも。

私は昔、フランスパンが嫌いでした。
皮が硬くて歯茎に突き刺さるし、中の白い身だって焼くと壊滅的な味と食感になるから。
よくあんな不味いパンを、フランス人は喜んで食べるもんだ、と思っていた。
ところが、本場フランスやヨーロッパの国々で売られているフランスパン(バゲット)、初めて現地で食べた時に、あまりの美味しさに目からウロコ、それこそ、スーパーの1ユーロもしないバゲットでもヤマザキの100倍、いや、比較にならないほど美味しくて、それまで私が食べていたものは、いったい何だったのか?と脳天をぶち抜かれたような衝撃でした。
それ以来、日本でも時々バゲットに挑戦していますが、スーパーでは絶対に買わず、評判のお店のだけです。
味や食感は飛び上がるほど美味しい訳ではないが、ヨーロッパで買うバゲットと比較してもまずまず良い勝負。
残念なのは、日本のパン屋のバゲットは、200円以下のものはほとんどなく、だいたい250〜300円くらい。ヨーロッパ価格の約2倍。同じ材料を使っていて、なぜ日本でそんなに高いのか疑問ではあるが、仕方ないので、高くても買います。

そんな訳で、ようやくバゲットを美味しいと理解できるようになり、気が緩んでいたのでしょう。
久しぶりのヴィドフランスにまんまとしてやられました。

これは、何年もの歳月と経験を経て、私の舌が肥えてしまったからなのか、それとも、ヴィドフランスの質が落ちてしまったのか。
どちらかわかりませんが、あの不味さ、もう二度と行かないでしょう。

よく「バブル期の女は扱いにくい」と言われますが、納得です。
なぜなら、たかがパンひとつとっても、こんなにこだわりがあるのですから。
歳を取れば取るほど妥協は許されず、良いモノだけを追求していく。
激安スーパーには目もくれず、有機栽培の野菜しか置かない高級スーパーをこよなく愛する。
こんな女と結婚したら、いくらお金があっても足りません。平凡なサラリーマンは決して近寄ってはならない存在なのです。

自分では、そこまで高慢ちきな女だと思っていなかったが、今回のヴィドフランス事件で、私も実は高慢ちきの仲間入りしていたことが判明。

嗚呼、もう庶民には戻れなくなってしまった。
パンがないなら、ケーキを食べればいいじゃない…!