タイトルにある「顎変形症」というのは、健康保険を使うときの用語で、手術による骨の移動なしでは、かみ合わせの改善が不可能な状態をいいます。

厚生労働省の方針で、この顎変形症を取り扱える医院(顎口腔機能診断施設)の数が大幅に減ったこともあり、相談をよくお受けしています。


先日も、ご相談を受けた患者さんから、メールにて追加の問い合わせをうけました。


歯並びを治すのに手術!?と思われる方も多いでしょうし、いざ説明を受けて手術が必要なことがわかったとしても、いろいろ心配はつきないことと思います。

せっかくですので、その患者さんへのお返事メールに書いたことを、下に転記しておこうと思います。


患者さんは、下アゴを後方にさげる手術を併用して矯正治療をすることをお勧めした方です。


◆手術をした場合
・後遺症が残る(痺れなど)
・術後の後戻りの可能性がある
・2重あごになる可能性がある
 


とネットで調べたのだが、これらについて教えてほしい、という内容でした。


以下大塚の返信です。


xxさん


順番にご質問に僕の答えられる範囲でお答えいたします。
手術に関しては、最終的には手術をする外科医の先生のお話に従っていただくことになりますので、一般的なお話として聞いてください。


・副作用でよく問題になるのは、確かに唇を中心として「感覚」に痺れが残ることです。
(「感覚」、というのは、触ったりしたときの感触の問題で、唇に力が入らずだらっとよだれが垂れてしてしまったりするのでない、ということです。)
まったく手術後の痺れがない人もおりますし、通常半年~2年程度で回復するとされています。

・後戻りに関しては、骨の厚みなどの個々の条件にもよりますが、手術をせずに歯のみ動かしても後戻りの危険は必ずありますし、また「完全に元の状態に戻ってしまう」というわけではありません。逆に手術なしで無理をした場合には、後戻りのリスクが高まることもあります。

・2重アゴ、というのは初めて聞きました。

たしかに下アゴの骨の大きさが手術後に減少するので、相対的にそういう表現をすることもありうるのでしょうが・・・
手術をしないで受け口を直すと、見た目はほとんど変わらないか、下の前歯が後ろに下がるので逆にアゴの先端(おとがい)部がやや目立つようになるかもしれません。

ファミリア歯科矯正
大塚


当院は、大塚がこれまで矯正治療を勉強した施設のつながりなどで、東京大学医学部附属病院 顎口腔外科・歯科矯正歯科、東京医科歯科大学病院口腔外科、国際医療センター口腔外科部長の丸岡先生、ほか、顎変形症を得意とする外科医の先生方に御紹介し、必ず矯正治療開始前に具体的なお話を聞いていただいております。



そんなわけで、いつもありがとうございます。m(_ _ )m  

>須佐美先生、丸岡先生ほか、いつもお力添え頂いている先生方


ファミリア歯科矯正www.familia-ortho.or.jp は顎口腔機能診断施設です。